“わだつみ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
蒼海16.7%
大海16.7%
海洋16.7%
海神8.3%
8.3%
和田津海4.2%
大洋4.2%
晦冥4.2%
海原4.2%
海童4.2%
渡津海4.2%
荒海4.2%
蒼溟4.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
蒼海わだつみの底よりのぼる、けふも新星にひぼし
海潮音 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
みても楽しいな。軍艦はもちろん勇壮だ。ごらんなさい、もうあんなに小さくなりましたよ。想ひ出はみをの如く泡だち……か。大海わだつみの、霞に消ゆる、ふね四艘……と
双面神 (新字旧仮名) / 岸田国士(著)
一葉の牡蠣かきの殼にも、詩人が聞けば、遠き海洋わだつみの劫初の轟きが籠つて居るといふ。
雲は天才である (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
おほ海神わだつみのうたがひに
泣菫詩抄 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
葉山一帯の海岸を屏風びょうぶくぎった、桜山のすそが、見もれぬけもののごとく、わだつみへ躍込んだ、一方は長者園の浜で、逗子ずしから森戸、葉山をかけて、夏向き海水浴の時分ころ人死ひとじにのあるのは
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
和田津海わだつみの沖に火もゆる火の国にわれありそや思はれ人は
柳原燁子(白蓮) (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
そして単に形容たるのみならず、おそらくは渺茫びょうぼうたる大洋わだつみの中に幾日かを送る航海者に取りては、ヨブ記のこの語が宛然さながらに事実なるが如く感ぜらるるであろう。
ヨブ記講演 (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
もともと自分から招いた過失であるとはいえ、私たちは第二の人生を、光の褪せた晦冥わだつみの中から踏み出さねばならなくなったのです。
潜航艇「鷹の城」 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
その——常在寺裏の林は、まるで荒れ狂う海原わだつみだった。木々のうなり、草のうそぶき、耳も眼も、奪われてしまう。
新書太閤記:01 第一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
百濟では都慕と言ひ、高句麗地方の人々は東明とも鄒牟とも朱蒙とも云ふ。日本で大山祇おほやまずみの神のすみ海童わだつみつみも、同音同義である。
近畿地方に於ける神社 (旧字旧仮名) / 内藤湖南(著)
ほこらの裏へ廻った。——そして、荒海わだつみうしおのような樹々の唸りに体を吹かれてたたずんでいると
宮本武蔵:08 円明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
かの蒼溟わだつみに湧くごとく
若菜集 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)