“わたつみ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ワタツミ
語句割合
海神25.0%
綿津見25.0%
渡津海16.7%
大海8.3%
大洋4.2%
太洋4.2%
海洋4.2%
竜神4.2%
綿摘4.2%
蒼海4.2%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
海神わたつみの宮の話があると、それはどこかの地方的勢力、または海中の島国のことであると考える。
神代史の研究法 (新字新仮名) / 津田左右吉(著)
恋があり夫婦があり親子があった海神わたつみの国が、地上的な不完全さを漸次払い落とし、煩悩なき浄光の土の観念を漸次取りいれつつ、ついに海底の国より天上の世界に発展して来たのである。
日本精神史研究 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
我、この船を押し流さば、ややしましいでまさば、御路みちあらむ。すなはちその道に乘りていでましなば、魚鱗いろこのごと造れる宮室みや、それ綿津見わたつみの神の宮なり。
りき、綿津見わたつみしほわかく、
新頌 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
渡津海わたつみ豊旗雲とよはたぐも入日いりひさし今夜こよひ月夜つくよ清明あきらけくこそ 〔巻一・一五〕 天智天皇
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
鱗に、爪に、角に、一糸掛けない白身はくしんいだかれ包まれて、渡津海わたつみの広さを散歩しても、あえて世にはばかる事はない。
海神別荘 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
待てしばし、るにても立波たつなみあら大海わたつみの下にも、人知らぬ眞珠またまの光あり、よそには見えぬ木影こかげにも、なさけの露の宿するためし
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
どよみよ、大海わたつみなみとゆる
白羊宮 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫薄田淳介(著)
蘆のまわりに、まろく拡がり、大洋わたつみうしおを取って、穂先に滝津瀬たきつせ水筋みすじの高くなり川面かわづらからそそむのが
海の使者 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
僕はお前の指を揉みながら遠い太洋わたつみを百年間も泳ぎ続けて来たやうな、長い疲れに襲はれてしまふ。
海の霧 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
乙姫おとひめさんのたつの都からくる春の潮の、海洋わたつみかすみが娘の目に来た。
田沢稲船 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
かざり電気の灯火つねよりも倍したる明るさをもて海のくらがりを破るありさまは、余りなる人の子よと竜神わたつみいからずやなど思ひ申しさふらふ
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
「隣町の——と言つたところで、此塾とは背中合せの綿摘わたつみの師匠の妹で」
「私は喜の字屋へ參りました。綿摘わたつみの師匠のお喜代は、親類へ泊りに行つて二三日留守、弟子達にも一日の暇をやつて、怠屈で/\仕樣が無いから、是非來てくれ——とお喜代の妹お咲からの使ひでした、——時刻は正子刻こゝのつ、それより早いと婆やさんが起きてゐるし、遲いと私が眠くなるから、と六つかしい註文でした」
その夜はやがて、砂白く、がけあおき、玲瓏れいろうたる江見の月に、やっこが号外、悲しげに浦をけ廻って、蒼海わたつみの浪ぞ荒かりける。
海異記 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)