“権”のいろいろな読み方と例文
旧字:
読み方割合
ごん40.2%
けん39.0%
ちから8.5%
2.4%
かさ2.4%
かり2.4%
ごんの1.2%
はか1.2%
ケン1.2%
シバラ1.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
甚作 新田のごんが、昨日夕方裏の畑のところを、うろうろしていたけに、あいつかも知れんぞ。飢饉で増えたのは畑泥棒ばかりじゃ。
義民甚兵衛 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
まるで人を野良犬かなんぞのようにあしらッて、あげくにはなぐったり、果物籠まで往来へほうり出して、水でもッかけそうなけんまくだ。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
否、塵芥は至粋をとゞむるのちからなきなり、漁郎天人の至美を悟らずして、いたづらに天衣の燦爛さんらんたるををしむ、こゝに於てか天人に五衰の悲痛あり。
徳川氏時代の平民的理想 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
寧ろ寒さ其物が結晶してりに人間らしい姿をして、不図ふと此原に迷い出したのではなかろうか。其胴体から放散する凜冽りんれつの気は、触るる所の何物をも凍らせずには置かないような気がする。
奥秩父の山旅日記 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
お藤は、それでも、泣きながら首を振って、あくまでも身に覚えのないことを主張いいはったが、番頭はいよいよかさにかかる一方、お藤はよよと哭き崩れる。
かりに十四歳を以てしたとすると、恰も好し棭斎が常関書屋に隠れた時である。榛軒は新に湯島の店の主人となつた棭斎の子懐之と同庚であつた。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
勘解由小路かでのこうじの中納言経房つねふさ検非違使別当左衛門督けびいしのべっとうさえもんのかみ実家、高倉宰相中将泰通やすみちごんの右中弁兼忠かねただ榎並えなみの中将公時きんとき但馬たじまの少将教能のりよしといった人々で、武士では、伊豆蔵人大夫頼兼よりかね石川判官代能兼いしかわのはんがんだいよしかね
「願くはわが憤恨いきどおりはかられ、わが懊悩なやみのこれと向いて天秤はかりにかけられんことを」というは、友の観察の浅きを責めし語である。
ヨブ記講演 (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
宋朝ソウチョウ管領カンリョウ梁中書リョウチュウショ北京ホッケイニアリテ、民ヲ毒シ、ケンヲ用イマツリホシイママニシテ富財ヲワタクシスルコト多年。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
然レドモ猶有縁ユカリノ地タルヲモツテ、吉原回禄ノ災ニ罹ル毎ニ、シバラココ仮肆カリタクヲ設ケテ一時ノ栄ヲ取ルコト也最マタ数回ナリ。
上野 (新字新仮名) / 永井荷風(著)