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権
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ごん
ふりがな文庫
“
権
(
ごん
)” の例文
旧字:
權
甚作 新田の
権
(
ごん
)
が、昨日夕方裏の畑のところを、うろうろしていたけに、あいつかも知れんぞ。飢饉で増えたのは畑泥棒ばかりじゃ。
義民甚兵衛
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
「欣しや、やっと
巡
(
めぐ
)
り
会
(
お
)
うたぞやい。これも、つい先のころ、住吉の浦で不慮の死を遂げなされた
権
(
ごん
)
叔父の霊のひきあわせでがなあろう」
宮本武蔵:04 火の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
沼南が
大隈
(
おおくま
)
参議と進退を
侶
(
とも
)
にし、今の次官よりも重く見られた文部
権
(
ごん
)
大書記官の栄位を弊履の如く
一蹴
(
いっしゅう
)
して野に下り
三十年前の島田沼南
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
二月の
朔日
(
ついたち
)
に
直物
(
なおしもの
)
といって、一月の
除目
(
じもく
)
の時にし残された官吏の昇任更任の行なわれる際に、薫は
権
(
ごん
)
大納言になり、右大将を兼任することになった。
源氏物語:51 宿り木
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
おてもやん、おてもやん、あんた
嫁入
(
よめいり
)
したではないかいな。嫁入りしたことしたばってん、
権
(
ごん
)
じゃあどんのぐじゃっぺだるけん、
未
(
ま
)
あだ
盃
(
さかずき
)
ゃせんだった。
ぐうたら道中記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
▼ もっと見る
「駄目だ。殺しても何にもならない。
可
(
よし
)
、いま一ツの手段を取らう。
権
(
ごん
)
!
吉
(
きち
)
!
熊
(
くま
)
! 一件だ。」
海城発電
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
彼は七つ八つの子供のころ、「饅頭虎」と「指無し
権
(
ごん
)
」という二人のならず者が、酒の座で喧嘩をはじめ、父の俊亮がその仲裁にはいったときの光景を思い起していた。
次郎物語:03 第三部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
寒かったろう御苦労だね、いま一杯つけさせるから飲んでておくれ、
権
(
ごん
)
、おまえその床几を
三悪人物語:忍術千一夜 第二話
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
『のせざる草紙』に、丹波の山中に年をへし猿あり、その名を増尾の
権
(
ごん
)
の
頭
(
かみ
)
と申しける。今もこの辺で猴神の祭日に農民群集するは、サルマサルとて作物が増殖する
賽礼
(
さいれい
)
という。
十二支考:07 猴に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
いんきんだむしの
附着
(
くつゝ
)
いてる箱は
川原崎
(
かはらさき
)
権
(
ごん
)
十
郎
(
らう
)
の
書
(
か
)
いたてえ……えゝ
辷
(
すべ
)
つて
転
(
ころ
)
んだので忘れちまつた、
醋吸
(
すすひ
)
の三
聖
(
せい
)
格子
(
かうし
)
に
障子
(
しやうじ
)
に……
簾
(
すだれ
)
アハヽヽヽ、おい
何
(
ど
)
うした、
確
(
しつ
)
かりしねえ。
にゆう
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
明治九年から十二年まで、彼は特に選ばれて
岐阜
(
ぎふ
)
県
権
(
ごん
)
区長の職にあったが、その時ばかりは郷党子弟のためであるとして大いに努めることをいとわなかった。すべてこのたぐいだ。
夜明け前:04 第二部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
この月毅堂は徴士より太政官
権
(
ごん
)
弁事に任命せられた。『明治史要』戊辰閏四月の記事に、「官制ヲ改定シ太政官ヲ分ツテ議政行政(略)七官ト為シ、行政官ニ
輔相
(
ほしょう
)
弁事史官ヲ置ク。」
下谷叢話
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
「
榾
(
ほた
)
三束、
蝋燭
(
ろうそく
)
二十梃、わき本陣様より
博労
(
ばくろう
)
の
権
(
ごん
)
の
衛門
(
えもん
)
に下さる」
大菩薩峠:35 胆吹の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「へい」といって現われたのは、
権
(
ごん
)
十という部下である。
剣侠受難
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「アハハハハ、おどかすない。おらあ一人じゃねえよ。ここにもう一人、ちっちゃいけれど、恐ろしく強い味方がいらあね。いくら名探偵だって、身動き一つさせるこっちゃあない……おらあ命しらずの
権
(
ごん
)
てえもんだよ」
人間豹
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
右は一つには
苺作
(
いちごさく
)
が耕すに
易
(
やす
)
く比較的利益多きところより
権
(
ごん
)
も八も植付に急なりし結果当××市郊外のみにて約三千
英加
(
エーカー
)
といふ苺畑出来候為め産出過多加ふるに今回の経済界の大恐惶に出会ひし事とて実際話しにならず候。
新らしき祖先
(新字旧仮名)
/
相馬泰三
(著)
と言ってとどめさせて、子息の
衛門督
(
えもんのかみ
)
、
権
(
ごん
)
中納言、右大弁そのほかの高官をそれへ混ぜて乗せさせて六条院へ来た。
源氏物語:44 匂宮
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
そうじゃ、ちょっと、気をつけておくがの、本位田家の婆と、
権
(
ごん
)
叔父とが、お
通
(
つう
)
と、おぬしを討ち果すまでは、
故郷
(
くに
)
の土を踏まぬというて旅へ出ておるぞよ。
宮本武蔵:02 地の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
彼が食ってかかった相手は、「指無しの
権
(
ごん
)
」だった。小指を一本切り落されていたので、そういう綽名がついていたが、青い顔の、見るからに
辛辣
(
しんらつ
)
そうな、痩ぎすの男だった。
次郎物語:01 第一部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
是
(
これ
)
は
武蔵屋
(
むさしや
)
権
(
ごん
)
三
郎
(
らう
)
を
引掛
(
ひツかけ
)
たのだが
何日
(
なんか
)
とも
日
(
ひ
)
が
認
(
したゝ
)
めてないから、
幾日
(
いくか
)
だらう、不思議な事もあるものだ、
是
(
これ
)
は
落字
(
らくじ
)
をしたのか知ら、忘れたのではないか、と
不審
(
ふしん
)
を打つ者があると
落語の濫觴
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
行歩
(
こうほ
)
健
(
すこや
)
かに先立って来たのが、あるき悩んだ
久我
(
くが
)
どのの姫君——北の
方
(
かた
)
を、
乳母
(
めのと
)
の十郎
権
(
ごん
)
の
頭
(
かみ
)
が
扶
(
たす
)
け参らせ、
後
(
おく
)
れて来るのを、判官がこの石に憩って待合わせたというのである。目覚しい石である。
瓜の涙
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「じゃア『三国峠の
権
(
ごん
)
』のような奴ね」
猿ヶ京片耳伝説
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
使いとして、これへ来たのは、松田重明の一子、
権
(
ごん
)
ノ
頭
(
かみ
)
五郎
吉重
(
よししげ
)
で、用がすむと早々に
私本太平記:05 世の辻の帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
次郎は、「指無しの
権
(
ごん
)
」とか「
饅頭虎
(
まんじうとら
)
」とか綽名されていたならず者共が、酒をのんでけんかを始めたのを、父が仲にはいって取りしずめた時の光景を、今だにはっきり覚えている。
次郎物語:04 第四部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
先
(
まづ
)
此方
(
こちら
)
へと、
鑑定
(
めきゝ
)
をして
貰
(
もら
)
ふ
積
(
つも
)
りで、
自慢
(
じまん
)
の
掛物
(
かけもの
)
は
松花堂
(
しやうくわだう
)
の
醋吸
(
すすひ
)
三
聖
(
せい
)
を見せるだらう、
宜
(
よ
)
い
掛物
(
かけもの
)
だ、
箱書
(
はこがき
)
は
小堀
(
こぼり
)
権
(
ごん
)
十
郎
(
らう
)
で、
仕立
(
したて
)
が
慥
(
たし
)
か
宜
(
よ
)
かつたよ、
天地
(
てんち
)
が
唐物緞子
(
からものどんす
)
、
中
(
なか
)
が
白茶地
(
しらちやぢ
)
の
古金襴
(
こきんらん
)
で。
にゆう
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「
権
(
ごん
)
ちゃん——居るの。」
古狢
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
康清は
権
(
ごん
)
ノ
大外記
(
だいげき
)
にすぎない者なので階下にいたが、ひょうきんな男とみえて
私本太平記:09 建武らくがき帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
由「分らないたって向うが奥様で
此方
(
こっち
)
は丁度
権
(
ごん
)
の
方
(
かた
)
で」
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「このばばと、
権
(
ごん
)
叔父の二人なら通るも帰るも、さしつかえはおざるまいの」
宮本武蔵:02 地の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「それよりは又八、おぬしは、
権
(
ごん
)
叔父の死んだことを知っていやるか」
宮本武蔵:05 風の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
お通
阿女
(
あま
)
のそばへ行ってこういうて来う——本位田の隠居はの、旅先で、河原の
権
(
ごん
)
叔父とも死に分れ、白骨を腰に負うて、老い先ない身をこうして旅にまかせているが、今では、むかしと違うて
宮本武蔵:04 火の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
少年の
容貌
(
かおだち
)
は稀に見るほどよく整っていた。知性の美といおうか、長浜の小姓部屋にいる於市、於虎、於助、於
権
(
ごん
)
などという者どもとは、その
言語挙動
(
げんごきょどう
)
にしても、著しくちがっているところがある。
新書太閤記:05 第五分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
お
通
(
つう
)
の白い顔があったり、又八が何か喰っていたり、
権
(
ごん
)
叔父が歩いていたり——そして自分の帰りの遅いのを案じて、子を探す母の姿が
彷徨
(
さまよ
)
っていたり——など、その頃の幼い幻影に、さながら、今
宮本武蔵:07 二天の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
権
(
ごん
)
っ。気をつけいよ、その相手は、
凡者
(
ただもの
)
でないぞ!」
宮本武蔵:06 空の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
権
(
ごん
)
叔父よ。この虎は、死んでいるのじゃろうが」
宮本武蔵:04 火の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
柴田
権
(
ごん
)
六勝家、森三左衛門の手兵およそ二千余。
新書太閤記:03 第三分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
だが、五郎
権
(
ごん
)
ノ
頭
(
かみ
)
は、あきらめきれない。
私本太平記:05 世の辻の帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
権
(
ごん
)
叔父よ、抜かるまいぞ」
宮本武蔵:03 水の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“権”の解説
権(ごん)は、朝鮮半島や日本、中華圏で用いられる姓(漢姓)。韓国では比較的に多く使われる姓であるが、日本や中国では希少である。
(出典:Wikipedia)
権
常用漢字
小6
部首:⽊
15画
“権”を含む語句
権威
権衡
権兵衛
権者
権輿
権右衛門
権威者
権柄
権妻
権高
権力
権利
権三
権門
根津権現
権能
飯綱権現
白井権八
太宰権帥
権僧正
...