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権
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けん
ふりがな文庫
“
権
(
けん
)” の例文
旧字:
權
まるで人を野良犬かなんぞのようにあしらッて、あげくには
打
(
ぶ
)
ン
撲
(
なぐ
)
ったり、果物籠まで往来へ
抛
(
ほう
)
り出して、水でも
打
(
ぶ
)
ッかけそうな
権
(
けん
)
まくだ。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
面長
(
おもなが
)
の、老人だから無論
皺
(
しわ
)
は寄っていたが、締った口元で、段鼻で、なかなか上品な
面相
(
かおつき
)
だったが、眼が大きな眼で、女には
強過
(
きつすぎ
)
る程
権
(
けん
)
が有って
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
その若い美しい奥方連の中に、太田筑前守の奥方ばかり四十を越した年配の、
権
(
けん
)
のありそうな婦人であります。
大菩薩峠:14 お銀様の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
西北諸王の子弟は、東南に分封し、東南諸王の子弟は、西北に分封し、其地を小にし、其城を大にし、以て其力を分たば、藩王の
権
(
けん
)
は、削らずして弱からん。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
ドーレ。と
木綿
(
もめん
)
の
袴
(
はかま
)
を
着
(
つ
)
けた
御家来
(
ごけらい
)
が出て
来
(
き
)
ましたが
当今
(
たゞいま
)
とは
違
(
ちが
)
つて
其頃
(
そのころ
)
はまだお
武家
(
ぶけ
)
に
豪
(
えら
)
い
権
(
けん
)
があつて
町人抔
(
ちやうにんなど
)
は
眼下
(
がんか
)
に
見下
(
みおろ
)
したもので「アヽ
何所
(
どこ
)
から
来
(
き
)
たい。 ...
士族の商法
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
▼ もっと見る
「
兵馬
(
へいば
)
の
権
(
けん
)
」とか「
弓馬
(
きゅうば
)
の
家
(
いえ
)
」とかいう語もあるほど、遠い昔から軍事の要具とせられている勇ましい馬の鳴声は、「お馬ヒンヒン」という
通
(
とお
)
り
詞
(
ことば
)
にあるとおり
駒のいななき
(新字新仮名)
/
橋本進吉
(著)
実際
今日
(
こんにち
)
の文
権
(
けん
)
は全く
吾〻
(
われ/\
)
青年の手にあるんだから、一言でも半句でも進んで云へる丈云はなけりや損ぢやないか。文壇は急転直下の勢で目覚しい革命を受けてゐる。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
幸子はこの老婦人にそんな
猪突
(
ちょとつ
)
的な一面があったことを今迄知らなかったのであるが、なるほど、そう云えば、年を取って
尚更
(
なおさら
)
そうなったのかどうか、顔つきにも何処か
権
(
けん
)
があって
細雪:03 下巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
何
(
いづ
)
れにしても
世渡
(
よわたり
)
の茶を濁さずといふこと無かりしかど、皆思はしからで巡査を志願せしに、上官の首尾好く、
竟
(
つひ
)
には警部にまで取立てられしを、中ごろにして
金
(
きん
)
これ
権
(
けん
)
と感ずるところありて
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
世を殺せし者必らずしも虚栄に
傲
(
ほこ
)
る勝利者のみにはあらじ、力ある者は力なき者を殺し、
権
(
けん
)
ある者は権なき者を殺し、智ある者は智なき者を殺し、
業
(
げふ
)
ある者は業なき者を殺し、世は陰晴常ならず
最後の勝利者は誰ぞ
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
もの云いなども
穏
(
おとな
)
しく
権
(
けん
)
というものが少しもない。
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
婆の
権
(
けん
)
まくに驚いたとみえ、弥次馬はもう
尾
(
つ
)
いて来ない。
殿
(
しんがり
)
として、鳥居の下で見張っていた権叔父も、やがて後から来て
宮本武蔵:04 火の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
手前は常陸に
知己
(
しるべ
)
があるから参ったが、ふとした縁で惣次郎方の厄介、処が惣次郎人遣いを知らず、名主というを
権
(
けん
)
にかって
酷
(
ひど
)
い取扱いをするは
如何
(
いか
)
にも心外で
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
たしかに武家出の人であって、一見して女丈夫とも思われるくらいの
権
(
けん
)
の高い老女であります。
大菩薩峠:16 道庵と鯔八の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
第十三子
桂
(
けい
)
を
代
(
だい
)
王とし、
大同府
(
だいどうふ
)
に居き、第十四子
楧
(
えい
)
を
粛
(
しゅく
)
王とし、藩に
甘州府
(
かんしゅうふ
)
に就かしめ、第十五子
植
(
しょく
)
を封じて
遼
(
りょう
)
王とし、
広寧府
(
こうねいふ
)
に居き、第十六子
※
(
せん
)
を
慶
(
けい
)
王として
寧夏
(
ねいか
)
に居き、第十七子
権
(
けん
)
を
寧
(
ねい
)
王に封じ
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
「聞きずてにならぬ
暴言
(
ぼうげん
)
、
用
(
よう
)
があればこそ
幕内
(
まくうち
)
へとおる。それは
奉行
(
ぶぎょう
)
の
役権
(
やっけん
)
じゃ。
役儀
(
やくぎ
)
の
権
(
けん
)
をもって
通
(
とお
)
るになんのふしぎがあろう。どけどけ」
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
お銀様は、冷たい
権
(
けん
)
のある言葉で首を横に振ったまま、お君の方を見返りもしませんでした。
大菩薩峠:12 伯耆の安綱の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
大勢で
悪口
(
あっこう
)
云われ、田舎武士と云って、手前などが
女子
(
おなご
)
を買っても惚れられようと思うは
押
(
おし
)
が強いなどと云って、重役の
権
(
けん
)
を
振
(
ふる
)
って中根が
打擲
(
ちょうちゃく
)
して、扇子の
要
(
かなめ
)
でな面部を打割られたを残念と思って
敵討札所の霊験
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
人いちばい
権
(
けん
)
をふるったり意慾を
恣
(
ほしいまま
)
にしたけれど、こういう人間ほど、半面には、
頑
(
かたくな
)
なくらいな道徳的良心をもっているので、失脚すると共に自己の良心で
宮本武蔵:07 二天の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
刎
(
は
)
ね起きると、左官たちは、ひとつかみにしてしまいそうな
権
(
けん
)
まくで、お杉ばばの前に立ったが
宮本武蔵:06 空の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「ならぬ!」と、伯父の
権
(
けん
)
を、声に加えて、蔡瑁はさらにこッぴどくいって、追い払った。
三国志:07 赤壁の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
すでに、鎌倉を立ち、九州このかたも、直義へは、軍政、日常のおもなる
権
(
けん
)
、あらましは彼にゆだねてあるが、このうえの名誉も栄花も俗世の
果報
(
かほう
)
はみんな彼にやりましょう。
私本太平記:12 湊川帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
また折には草に伏し、熱砂を這い、もし服さぬ者は、これを斬るぐらいな
権
(
けん
)
は持っていませんと、到底、列を曳きずッてはいけません。しかるに、
夫人
(
おくがた
)
の執事や家来とあっては
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
いきなり横合の
樹陰
(
こかげ
)
から跳び出した人影がある。しゃ
嗄
(
が
)
れ声ですぐ老人であることは分ったが、手には、槍を引っ
提
(
さ
)
げ、
袴
(
はかま
)
を高く
括
(
くく
)
し上げて、まるで
夜叉
(
やしゃ
)
のような
権
(
けん
)
まくだった。
夕顔の門
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
青年からご壮年になるまで、或いはいまも——光圀公のお胸にひそんでいることは——幕府の
権
(
けん
)
、
政
(
まつりごと
)
一切をあげて、天朝へお還しさせ申さんという恐ろしいお望みにあるのです。
梅里先生行状記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
しかも、あなたの
嘲蔑
(
ちょうべつ
)
とあの
権
(
けん
)
まくにも屈せず、誠心誠意、相手を説破せんとするあの情熱は正直者です。あの
容態
(
ようたい
)
は大器です。必ず後に大きくなる
器
(
うつわ
)
と、
野衲
(
やのう
)
は信じて疑いません
新書太閤記:03 第三分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「なんじゃと、あの玄徳が、
権
(
けん
)
の妹を
娶
(
もら
)
いにきたのですって。……まああつかましい」
三国志:08 望蜀の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「眠りの邪魔になるからやめろというのに、聞えないか」弁円が、
権
(
けん
)
ぺいに叱ると
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
すでにその
権
(
けん
)
まくからして只ならないものがある。往来の者は、
呆
(
あ
)
ッ気にとられて
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
権
(
けん
)
に
媚
(
こ
)
びず、世に臨んでは、
政治
(
まつりごと
)
を私に曲げず、義にのぞんでは私心なく、白雲のごとく身は
縹渺
(
ひょうびょう
)
、雨のごとく行動は急、そして貧に自楽することを知って、
的
(
まと
)
を得ざるも不平を病まずなどと……
宮本武蔵:08 円明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
否、大いにおそれてさえいるのだが、それにせよ直義がこのひとを超えてあまりな
権
(
けん
)
を持つのは好ましいことでなかった。しぜん自分の将来も共にうだつの上がらない予想がされてくるからだった。
私本太平記:13 黒白帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
食ッてかかるような
権
(
けん
)
まくで、手を出している者たちを突き
退
(
の
)
け
宮本武蔵:04 火の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
突っかかって来たわが子の
権
(
けん
)
まくにお杉はまた、膝に角を立てて
宮本武蔵:05 風の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
権
(
けん
)
をとって
廟
(
びょう
)
に立つものが、第二の幕府をつくりはせぬか」
鳴門秘帖:05 剣山の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
必然武府の
権
(
けん
)
を持ち、すなわち、幕府ができてまいりましょう
私本太平記:12 湊川帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「ま——大変な
権
(
けん
)
まくね」
松のや露八
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
権
(
けん
)
を
執
(
と
)
る世にまた成れかし
私本太平記:09 建武らくがき帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“権”の解説
権(ごん)は、朝鮮半島や日本、中華圏で用いられる姓(漢姓)。韓国では比較的に多く使われる姓であるが、日本や中国では希少である。
(出典:Wikipedia)
権
常用漢字
小6
部首:⽊
15画
“権”を含む語句
権威
権衡
権兵衛
権者
権輿
権右衛門
権威者
権柄
権妻
権高
権力
権利
権三
権門
根津権現
権能
飯綱権現
白井権八
太宰権帥
権僧正
...