“川面”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
かわも51.3%
かわづら23.8%
かはづら12.5%
かはも6.3%
かわつら2.5%
かはつら1.3%
かはのも1.3%
かわもせ1.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
じっと、狭い肩身をすくめ合ったまま、潮田又之丞、小野寺幸右衛門、武林唯七の三名は、顔も得上えあげずに、暗い川面かわもを見つめていた。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
富岡老人釣竿つりざお投出なげだしてぬッくと起上たちあがった。屹度きっと三人の方を白眼にらんで「大馬鹿者!」と大声に一喝いっかつした。この物凄ものすごい声が川面かわづらに鳴り響いた。
富岡先生 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
手長蝦てながえびだか、足長蟲あしながむしだか、びちや/\と川面かはづらではねたとおもふと、きしへすれ/\のにごつたなかから、とがつた、くろつらをヌイとした……
深川浅景 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
川面かはもも段々夜の色になり、近々と腰かけてはゐるのだが、娘の顏もほの白く見えるばかりだつた。充分川幅の廣いところで、三田はオールをあげて舟を流れに任せた。
大阪の宿 (旧字旧仮名) / 水上滝太郎(著)
情を知らぬ夕霧め、川面かわつら一面に立て込めてその人の姿をよく見せない,あれが貌かというほどに、ただぼんやりと白いものが、ほんのかすかに見えるばかり。
初恋 (新字新仮名) / 矢崎嵯峨の舎(著)
「おつ母さん。わたしあの黒い川面かはつらに舟の窓の明りが一つ一つ殖えるのを見てゐますの。」
日ねもす夕暮まで我は見守りつ、川面かはのもの変りゆくさま。
屋根船はその間にいつか両国のにぎわいぎ過ぎて川面かわもせのやや薄暗い御蔵おくら水門すいもんそと差掛さしかかっていたのである。燈火の光に代って蒼々あおあおとした夏の夜の空には半輪はんりんの月。
散柳窓夕栄 (新字新仮名) / 永井荷風(著)