“川面”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
かわも48.7%
かわづら25.0%
かはづら13.2%
かはも6.6%
かわつら2.6%
かはつら1.3%
かはのも1.3%
かわもせ1.3%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
むこう岸はボーッと雨に煙り、折からいっぱいの上潮で、柳の枝の先がずっぷり水にかり、手長蝦だの舟虫がピチャピチャと川面かわもで跳ねる。
顎十郎捕物帳:24 蠑螈 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
じっと、狭い肩身をすくめ合ったまま、潮田又之丞、小野寺幸右衛門、武林唯七の三名は、顔も得上えあげずに、暗い川面かわもを見つめていた。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
川面かわもさざなみも、すべて強烈きょうれつ斜陽しゃようの逆光線に、かがやいているなかを、エイト・オアス・シェルの影画シルエット
オリンポスの果実 (新字新仮名) / 田中英光(著)
図を見るに川面かわづらこむる朝霧に両国橋薄墨うすずみにかすみ渡りたる此方こなたの岸に、幹太き一樹の柳少しくななめになりて立つ。
——低い舷の外はすぐに緑色のなめらかな水で、青銅のような鈍い光のある、幅の広い川面かわづらは、遠い新大橋にさえぎられるまで、ただ一目に見渡される。
大川の水 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
水の上の世界は更に凄惨である。吹きすさぶ嵐は鳴りも止まず、水魔の躍り立つ川面かわづら一帯は、篠つく大雨にただ真ッ白に煙っている。
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
足長蟲あしながむしだか、びちや/\と川面かはづらではねたとおもふと、きしへすれ/\のにごつたなかから、とがつた
深川浅景 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
やうやまちをはづれると、九頭龍川くづりうがは川面かはづらに、夕暮ゆふぐれいろめて
雪の翼 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
爾時そのとき仮橋かりばしががた/\いつて、川面かはづら小糠雨こぬかあめすくふやうにみだすと、ながれくろくなつてさつた。
化鳥 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
「今朝、——變な手紙を受け取つたのだよ。今晩、五つの鐘を合圖に、兩國橋の上から川面かはもを見張つて貰ひたい。六人の人が死ぬ。それも選り拔きの美しい娘ばかり——といふ文句だ」
川面かはもも段々夜の色になり、近々と腰かけてはゐるのだが、娘の顏もほの白く見えるばかりだつた。
大阪の宿 (旧字旧仮名) / 水上滝太郎(著)
なんでも雨上あまあがりの葉柳のにほひが、川面かはもを蒸してゐる時だつた。
動物園 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
情を知らぬ夕霧め、川面かわつら一面に立て込めてその人の姿をよく見せない,あれが貌かというほどに、ただぼんやりと白いものが、ほんのかすかに見えるばかり。
初恋 (新字新仮名) / 矢崎嵯峨の舎(著)
瀬の音がごう/\/\、ざあ/\ざあと川面かわつら一面に響く。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
部屋の中から若々しい女の声がした。「おつ母さん。わたしあの黒い川面かはつらに舟の窓の明りが一つ一つ殖えるのを見てゐますの。」
日ねもす夕暮まで我は見守りつ、川面かはのもの変りゆくさま。
屋根船はその間にいつか両国のにぎわいぎ過ぎて川面かわもせのやや薄暗い御蔵おくら水門すいもんそと差掛さしかかっていたのである。
散柳窓夕栄 (新字新仮名) / 永井荷風(著)