“かわもせ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
河面50.0%
川面50.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
佃島つくだじまでは例年の通り狼烟のろし稽古けいこの始まる頃とて、夕涼かたがたそれをば見物に出掛ける屋根船猪牙舟ちょきぶねは秋の木葉このはの散る如く河面かわもせに漂っていると
散柳窓夕栄 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
両国橋の橋間は勿論もちろん料理屋の立並ぶあたり一帯の河面かわもせはさすがの大河だいが込合こみあう舟に蔽尽おおいつくされ、流るる水はふなばたから玉臂ぎょくひを伸べて杯を洗う美人の酒にいて同じく酒となるかと疑われる。
散柳窓夕栄 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
屋根船はその間にいつか両国のにぎわいぎ過ぎて川面かわもせのやや薄暗い御蔵おくら水門すいもんそと差掛さしかかっていたのである。燈火の光に代って蒼々あおあおとした夏の夜の空には半輪はんりんの月。
散柳窓夕栄 (新字新仮名) / 永井荷風(著)