河面かわもせ)” の例文
佃島つくだじまでは例年の通り狼烟のろし稽古けいこの始まる頃とて、夕涼かたがたそれをば見物に出掛ける屋根船猪牙舟ちょきぶねは秋の木葉このはの散る如く河面かわもせに漂っていると
散柳窓夕栄 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
両国橋の橋間は勿論もちろん料理屋の立並ぶあたり一帯の河面かわもせはさすがの大河だいが込合こみあう舟に蔽尽おおいつくされ、流るる水はふなばたから玉臂ぎょくひを伸べて杯を洗う美人の酒にいて同じく酒となるかと疑われる。
散柳窓夕栄 (新字新仮名) / 永井荷風(著)