“河面”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
かわも50.0%
かわづら22.7%
かはづら9.1%
かめん9.1%
かわもせ4.5%
かはせ4.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
眺め入る河面かわもは闇を零細れいさい白波しらなみ——河神の白歯の懐しさをかつちりかの女がをとめの胸に受け留める。をとめは河神に身を裂かれいのだ。
(新字旧仮名) / 岡本かの子(著)
彼れが気がついた時には、何方どっちをどう歩いたのか、昆布岳の下を流れるシリベシ河の河岸の丸石に腰かけてぼんやり河面かわづらを眺めていた。
カインの末裔 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
残暑ざんしよ夕日ゆふひが一しきり夏のさかりよりもはげしく、ひろ/″\した河面かはづら一帯に燃え立ち、殊更ことさらに大学の艇庫ていこ真白まつしろなペンキぬり板目はめに反映してゐたが
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
進められるままに私は隆太郎と階下したの白い浴室にはいる。何かのつるった窓から、覗くと蘆荻ろてきが見え、河面かめんが見える。白い浴槽の内では、そこで私が河童かっぱの真似をする。
木曾川 (新字新仮名) / 北原白秋(著)
佃島つくだじまでは例年の通り狼烟のろし稽古けいこの始まる頃とて、夕涼かたがたそれをば見物に出掛ける屋根船猪牙舟ちょきぶねは秋の木葉このはの散る如く河面かわもせに漂っていると
散柳窓夕栄 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
河面かはせに踊る初夏の鮎のやうに、または森蔭に飛び交ふ狐火のやうに、間抜けな/\、お前達をモツケ(闘剣術に使はるゝ、「嘲り」の型也)してゐるのが解らないか。
歌へる日まで (新字旧仮名) / 牧野信一(著)