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河面
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かわづら
ふりがな文庫
“
河面
(
かわづら
)” の例文
彼れが気がついた時には、
何方
(
どっち
)
をどう歩いたのか、昆布岳の下を流れるシリベシ河の河岸の丸石に腰かけてぼんやり
河面
(
かわづら
)
を眺めていた。
カインの末裔
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
残暑の夕日が
一
(
ひと
)
しきり夏の
盛
(
さかり
)
よりも
烈
(
はげ
)
しく、ひろびろした
河面
(
かわづら
)
一帯に燃え立ち、
殊更
(
ことさら
)
に大学の
艇庫
(
ていこ
)
の
真白
(
まっしろ
)
なペンキ塗の
板目
(
はめ
)
に反映していたが
すみだ川
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
いと
賑々
(
にぎにぎ
)
しけれど今日は淋びしく、
河面
(
かわづら
)
には
漣
(
さざなみ
)
たち灰色の雲の影落ちたり。
源おじ
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
もういくら待っても人通りはない。長吉は
詮方
(
せんかた
)
なく疲れた眼を河の方に移した。
河面
(
かわづら
)
は
先刻
(
さっき
)
よりも一体に
明
(
あかる
)
くなり気味悪い雲の峯は影もなく消えている。
すみだ川
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
道子は橋の欄干に身をよせると共に、真暗な公園の
後
(
うしろ
)
に聳えている松屋の建物の屋根や窓を色取る燈火を見上げる眼を、すぐ
様
(
さま
)
橋の下の桟橋から
河面
(
かわづら
)
の方へ移した。
吾妻橋
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
▼ もっと見る
その
傍
(
かたわら
)
に
尻端折
(
しりぱしょり
)
の男一人片手を上げて網船賑ふ
河面
(
かわづら
)
の
方
(
かた
)
を指さしたるは、静に曇りし初夏の空に
時鳥
(
ほととぎす
)
の一声
鳴過
(
なきす
)
ぎたるにはあらざるか。時節はいよいよ夏の
盛
(
さかり
)
となれり。
江戸芸術論
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
河
常用漢字
小5
部首:⽔
8画
面
常用漢字
小3
部首:⾯
9画
“河面”で始まる語句
河面口