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白波
読み方 | 割合 |
しらなみ | 75.0% |
はくは | 18.8% |
サアフ | 6.3% |
春は
水嵩も
豊で、両岸に咲く一重桜の花の反映の薄べに色に淵は
染んでも、瀬々の
白波はます/\
冴えて、こまかい荒波を立てゝゐる。
仰ぎ見る
大檣の上高く戦闘旗は
碧空に
羽たたき、煙突の
煙まっ黒にまき上り、
舳は海を
劈いて
白波高く両舷にわきぬ。
雲は寄る寄る
崖を
噛んで、
刎ね返されたる
倒波の如きあり、その下層地平線に
触れて、波長を減じたるため、上層と
擦して
白波の
泡立つごときあり、
之を照らすにかの
晃々たる大月あり