“豊”のいろいろな読み方と例文
旧字:
読み方割合
ゆたか41.2%
とよ28.9%
ゆた21.9%
おほい0.9%
ずっ0.9%
0.9%
ふく0.9%
ふくよ0.9%
ふっ0.9%
ほう0.9%
トヨ0.9%
ユタ0.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
春は水嵩みずかさゆたかで、両岸に咲く一重桜の花の反映の薄べに色に淵はんでも、瀬々の白波しらなみはます/\えて、こまかい荒波を立てゝゐる。
(新字旧仮名) / 岡本かの子(著)
いつか越後えちごの人がこの娘を見て、自分の国は女の美しい国だが、おとよさんのように美しいのは、見たことがないと云ったそうである。
(新字新仮名) / 森鴎外(著)
けれども、人びとは、この平野がゆたかで、親切しんせつなのに、満足まんぞくしたものでしょう。できるだけこれをかざりたててやろうとしました。
やねおほいにし、其家にしとみし、よさゝうにすれば、日中に斗だのばいだのといふ星を見て、大なる光は遮られ、小さなる光はあらはれ、然るべき人は世にかくれ、つまらぬ者は時めき、そして
震は亨る (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
秋になれば下条しもじょうさんの病院で若手が一人る。最早もう概略あらかた約束が出来ていますから、うなれば患者も今よりはずっと殖えます。もう僅か半年、六箇月です。ね、待って下さい。春子さん
いたずら小僧日記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
角膜の献納せむと乞ひて得し養母ははなり養母は優しさに
遺愛集:02 遺愛集 (新字新仮名) / 島秋人(著)
白酒の酔いにほんのりと色ざした、眼元、口元、ふくよかな頬にまで花のあざやかさを見せたる、やがての春も偲ばるるものである。
残されたる江戸 (新字新仮名) / 柴田流星(著)
自分は、霜枯れ果てた此畑中に、ひとり実割れるばかりふくよかな趣を見せて居る此『野菜の王』を、少なからず心に嬉しんだ。
葬列 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
宝石商の電灯は今硝子越ガラスごし彼女かのおんなの鼻と、ふっくらした頬の一部分と額とを照らして、はすかけに立っている敬太郎の眼に、光と陰とから成る一種妙な輪廓りんかくを与えた。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
この蘇川峡のみをもってすれば、その岩相がんそう奇峭きしょうほう耶馬渓やばけい瀞八丁どろはっちょうしんの天竜峡におよばず、その水流の急なること球磨くま川にしかず、激湍げきたんはまた筑後川の或個処あるかしょにも劣るものがある。
木曾川 (新字新仮名) / 北原白秋(著)
ユタにし 屋庭ヤニハは見ゆ。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)