“ほう”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ホウ
語句割合
36.9%
24.9%
16.0%
4.7%
2.2%
2.1%
2.1%
1.6%
1.0%
0.7%
0.7%
0.6%
0.5%
0.5%
0.4%
0.4%
0.3%
0.3%
放棄0.3%
0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
0.1%
0.1%
0.1%
痴呆0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
仕法0.1%
0.1%
厚朴0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
手段0.1%
0.1%
0.1%
擲却0.1%
放任0.1%
方向0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
相場0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ひるすこしまえにはもう二人ふたりにいさんが前後ぜんごして威勢いせいよくかえってた。一人ひとりにいさんのほう袖子そでこているのをるとだまっていなかった。
伸び支度 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
おや屋はうれしがって、思わずまりを宙へほうった。ぽんとつくと、前よりまた高く上がった。またつく。またつきながら道を歩き出した。
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
何しろ、其奴そいつの正体を見届けようと思って、講師は燐寸まっち擦付すりつけると、対手あいてにわかに刃物をほうり出して、両手で顔を隠してしまった。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
それで僕が六号活字を受持つてゐる時には、性質たちくないのは、大抵屑籠くづかごほうり込んだ。此記事も全くそれだね。反対運動の結果だ
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
しん王以下は、永楽えいらくに及んで藩に就きたるなれば、しばらくきて論ぜざるも、太祖の諸子をほうじて王となせるもまた多しというべく
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
城隍廟じょうこうびょうのそば、観音庵かんのんあんの家にもどると、彼はすぐさま身支度にかかった。胸に銀甲を当て、琥珀色こはくいろほうに、兜巾ときんをつけ髪をしばる。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ゆたりゆたりとほうけたように空を流れ、浜の子供たちがワーッと歓声をあげながら、一かたまりになって、それを追かけて行くところであった。
鱗粉 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
「おい、逃げるてえほうがあるかッ! この乾雲は汝の坤竜にこがれてどこまでも突っ走るのだ。刀が刀を追うのだからそう思え!」
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
皆樣みなさまは、其樣そんなにあの可愛かあいがつてくださつたのですか。わたくしなん御禮おれい言葉ことばもございません。』とゆきのやうなるほう微※えくぼなみたゝえて
長さ九寸、ほうの木で作つたヒヨロヒヨロの矢ですから、他の場所に當つたんでは、大したわざもしなかつたでせうが、眼玉を射ただけに、これは厄介です。
その老臣ろうしんは、つつしんで天子てんしさまのめいほうじて、御前ごぜんをさがり、妻子さいし親族しんぞく友人ゆうじんらにわかれをげて、ふねって、ひがしして旅立たびだちいたしましたのであります。
不死の薬 (新字新仮名) / 小川未明(著)
まぢくないの高聲たかごゑみんないとよびつれておもて出合頭であいがしら正太しようた夕飯ゆふめしなぜべぬ、あそびにほうけて先刻さつきにからぶをもらぬか、誰樣どなたまたのちほどあそばせてくだされ
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
番茶のほうじた香ばしいのをすすりながら、新吉は満腹して重たい体をもてあつかうように、食卓にもたせかけ、おときの顔を見て笑った。
果樹 (新字新仮名) / 水上滝太郎(著)
それだけでは慊焉あきたらず、今度は、半年前にほうじた先王アメシスのしかばねはずかしめようと考えた。カンビュセスが含む所のあったのは、むしろアメシス王の方だったからである。
木乃伊 (新字新仮名) / 中島敦(著)
ちょうどそのとき、ラジオのニュースで、きょうも荒鷲あらわしてきの○○飛行場ひこうじょう猛爆もうばくして多大ただい戦果せんかおさめたことをほうじた。
ごんごろ鐘 (新字新仮名) / 新美南吉(著)
五月雪消の跡に葉に先立って大きな白いほうを持った水芭蕉の花が、地から湧き出したもののように原を埋めて一斉に咲いた時の尾瀬は、目を驚かすに足るものがある。
山の魅力 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
私はこの時分程同級生にいぢめられたことはありません。私がほうと云ふ姓なものですから
私の生ひ立ち (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
竹内雲濤は江戸の人、通称を玄寿、名をほう、字を九万という。雲濤また酔死道人すいしどうじんと号した。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
彼は悠然やおら立って着衣きものの前を丁寧に合わして、とこ放棄ほうってあった鳥打ち帽を取るや、すたこらと梯子段はしごだんりた。
郊外 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
ひゞきはるかの海上かいじやうあたつて、きはめてかすかに——じついぶかしきまでかすかではあるが、たしかにほうまた爆裂ばくれつ發火はつくは信號しんがうひゞき
その妻から与えられた黄金をつぶてとして池の鴛鴦えんおうほうったので始めて黄金の貴重なことを知らされ、これがそんなに貴いものなら俺の炭を焼く山の谷川には幾らでもあるというお極りの譚の筋で
西域からほう手も聘せられる。当時の数学の発達は根本においては断じて支那固有のものであるが、多少の影響を受けたことはもちろんあろう。
天下後世にその名をほうにするもしゅうにするも、心事の決断如何いかんり、つとめざるべからざるなり。
瘠我慢の説:02 瘠我慢の説 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
だが職業として毎日多くの豚をほうることは、可哀想だ惨酷だという気がして出来なかった。
首を失った蜻蛉 (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)
といっても、五台山五ほうの西にはまだ影淡き残月が見え、地には颯々さっさつの松原がやっと辺りを明るみかけさせて来た頃だった。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
中国には前記のほかに「包公案ほうこうあん」「てき公案」「公案」「ほう公案」「竜図りゅうと公案」などの「公案もの」といわれる多くの裁判物語があるが、この公案ものの方は本になった地代が新しいために
探偵小説の「謎」 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
女に痴呆ほうけたために前後を忘れていたに過ぎないので、こうして本気になって、女にも酒にも眼をれず、絶体絶命の死身しにみになって稼ぎはじめると
名娼満月 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
百樹もゝき曰、牧之老人が此草稿したがき無縫塔むほうたふほう字義じぎつうじがたく誤字ごじにやとて郵示ひきやくたよりしてひければ、無縫塔むほうたふ書伝かきつたへたるよしいひこしぬ。雲根志うんこんしには無帽塔むはうたふとあり、無帽むはうも又つうじがたし。
コスモスに句をいそがるる別れかな ほう
南画を描く話 (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
あの内閣や政党をこはす事の大好きな木堂ですら「ほう」とやらを見るためには、硝酸銀で硯を焼かなければならぬ、そんな勿体ない事が出来るものぢやないといつてゐる位だから。
ほう癇癪かんしゃくまぎれに獅子口ろうやぐちの厚い戸をドンと押し開けた。とたんに何か内部の異様を見たにちがいない。及び腰に上半身を中へ入れるやいな
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そこでほうが急いで行ってみると、そこには牢番の楽和がくわ水火棍すいかこんを持って立っていたので、出合いがしらに、包は呶鳴どなッた。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
平田が故郷くにの方の仕法ほうがついて出京したら、二夫婦揃ッて隣同士家を持ッて、いつまでも親類になッて、互いに力になり合おうと相談もしている。
今戸心中 (新字新仮名) / 広津柳浪(著)
南洲乃ち三十圓を與へて曰ふ、汝に一月ひとつきほう金を與へん、汝は宜しく汝の心にむかうて我が才力さいりき如何を問ふべしと。其人た來らず。
但先月の嵐がるいをなしたのか、庭園の百日紅、桜、梅、沙羅双樹さらそうじゅ、桃、李、白樺、欅、厚朴ほう、木蓮の類の落葉樹は、大抵葉を振うて裸になり、柿やトキワカエデの木の下には
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
カークをはじめ一人も声がなく、ほうけて死人のようになってしまった。
人外魔境:01 有尾人 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
「わずか十里の郊外、七ほうそんと申す静かなところですが」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
言語はもとより多端なり。さんと云ひ、がくと云ひ、ほうと云ひ、らんと云ふ。義の同うして字の異なるを用ふれば、即ち意を隠微のかんぐうするを得べし。大食おほぐらひを大松だいまつと云ひ差出者さしでもの左兵衛次さへゑじと云ふ。
その声はよくとおり、一日中変わってゆく渓あいの日射ひざしのなかでよく響いた。そのころ毎日のように渓間を遊びほうけていた私はよくこんなことを口ずさんだ。
交尾 (新字新仮名) / 梶井基次郎(著)
ぽかんと、馬鹿みたいに、ほうけた顔つきを、うつろにしていることがあるかと思うと、些細ささいなことにも、激怒したり、また哄笑こうしょうを発したりした。
平の将門 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「さあ、三つの手段ほうがある、首をくくってくたばるか、山へはいって遁がれるか、仲間っ外れを覚悟の上で、世の建て直しにとりかかるか。だが九分九厘は失敗ものだ、大概磔刑はりつけにされるだろう」
任侠二刀流 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
博物館はくぶつかんに、いま光琳こうりんほう一など、琳派りんぱ陳列ちんれつがあるのじゃがな。」と、叔父おじさんは、博物館はくぶつかんもんのあるほうをつえでしました。しかし、そのほうには、人影ひとかげすくなくて、さびしかったのです。
町の真理 (新字新仮名) / 小川未明(著)
慶応けいおう四年二月(この年九月に明治となる)、勅命をほうじて奥羽おうう征伐の軍を仙台せんだいに進めた九条道孝卿くじょうみちたかきょうは、四月のはじめまず庄内しょうない酒井忠寛さかいただひろを討つため、副総督沢為量さわためますに命じて軍勢を進発させた。
梟谷物語 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
ややあッていそがわしく布巾を擲却ほうり出して小膝こひざを進ませ
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
グレ へッ、かまはいで放任ほうっておくのでがな、それがおぬし弱蟲よわむし證據しょうこぢゃ。
と云いさして平馬の方向ほうへガックリと顔を傾けた……が……しかし、それは苦痛のためらしかった。そのまま眼を閉じてタップリと血を吐いた。
斬られたさに (新字新仮名) / 夢野久作(著)
その地球の周囲、九万里にして、上下四ほう、皆、人ありて居れり。およそ、その地をわかちて、五大州となす。云々。
地球図 (新字新仮名) / 太宰治(著)
満腹そうにほうじ立ての上がりばなを喫しながら、小ようじで並びのいい歯の上下をさかんにせせくっていましたが、ちゃらりとそこへ小銀を投げ出すと、のどを鳴らしながらも手を出しえないほどに
横に切って薄片と成さば団扇の形のごとし、故に江戸にてダンセンと呼びしゃほう食味極めて甘美なり。
いには円陣までもが身動きもならぬほどに立込み、大半の者は足踏のままに浮れほうけ、踊りほうけていた。
鬼涙村 (新字新仮名) / 牧野信一(著)
黒眼鏡をかけて、糸織の袷羽織あわせばおりに、角帯をしめて、茶の中折帽、東京から来て今生糸いと相場ほうへ思惑をしてみたが、ちょっと、追敷おいじきが足らなくなったからと、軽く言っているのだがね……
かんかん虫は唄う (新字新仮名) / 吉川英治(著)
何となく気になるが、子供の事だ、遊びにほうけて忘れていると、何時いつの間にか勘ちゃんが、使の帰りに何処かで蛇の死んだのを拾って来て、そっ背後うしろから忍び寄て、卒然いきなりピシャリと叩き付ける。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
そこでことわっておくが、ここには、黒死舘風景はないんだぜ。豪華な大画ほうや、きらびやかな鯨骨を張った下袴ファシング・スカートなどが、このあばら家のどこから現われて来るもんか。
潜航艇「鷹の城」 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
一度ひとたび恋人をほうむる機会を失したばかりに、生体に幾倍する死体の魅力を知りはじめ、痛ましくも地獄の恋に陥った柾木愛造は、その代償として、彼の目の前で
(新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
しかもなお彼は、「ほうとなるといふとも、道取せざるべきにはあらず」
日本精神史研究 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
この蘇川峡のみをもってすれば、その岩相がんそう奇峭きしょうほう耶馬渓やばけい瀞八丁どろはっちょうしんの天竜峡におよばず、その水流の急なること球磨くま川にしかず、激湍げきたんはまた筑後川の或個処あるかしょにも劣るものがある。
木曾川 (新字新仮名) / 北原白秋(著)
〔評〕關八州くわんはつしうは古より武を用ふるの地と稱す。興世おきよ反逆はんぎやくすと雖、猶將門まさかどに説いて之にらしむ。小田原のえきほう公は徳川公に謂うて曰ふ、東方に地あり、江戸えどと曰ふ、以て都府とふを開く可しと。
あたしは善兵衛さんに手伝って、いつになく機嫌よく壁張りの手伝いや見物や助言をした。それは逆さまだ、こっちのほうのりをつけた方がよいのと。
如水は城中へ矢文を送つて和睦をすゝめる第一段の工作にかゝり、ついで井上平兵衛を使者に立てゝ酒二樽、糟漬かすづけほう十尾を進物として籠城の積鬱を慰問せしめる。
二流の人 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
ほう将軍の弟の鮑忠が、抜けがけをして、かなりの味方を損じたという不利な報告があったし、今また、先鋒の孫堅が、木ッ端微塵みじんな大敗をこうむったという知らせに、幕営の諸将も、全軍の兵気も
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「雪団打、雪団打、ほう老の機関没可把もっかは
鹿山庵居 (新字新仮名) / 鈴木大拙(著)