“ほお”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
頬91.1%
朴4.3%
抛0.9%
放0.4%
厚朴0.4%
呆0.4%
両頬0.2%
双頬0.2%
屠0.2%
投0.2%
煩0.2%
臉0.2%
蓬0.2%
頬肉0.2%
頻0.2%
頼0.2%
額0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
小腰をかがめて媼(おうな)の小舞(こまい)を舞うているのは、冴々(さえざえ)した眼の、白い顔がすこし赤らみを含んで、汗ばんだ耳もとから頬(ほお)へ、頬から頸(くび)の
大橋須磨子 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
三つの石は即席の釜戸(かまど)だったのである。りつ子は朴(ほお)の木の葉も洗って持って来て、その上へもろこし餅をのせて彼に渡した。
おごそかな渇き (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
と隅にある座蒲団に手を掛けて、抛(ほお)っておけばそこに二人分の褥(しとね)でも設けそうなたたずまいであった。
逗子物語 (新字新仮名) / 橘外男(著)
熱灰(あつはい)の入っている小さな壺で自分自身か自分の子供かの手足の指の凍痛を和(やわら)げようとしてみていたのを、その壺を戸口段のところに放(ほお)っておいて来た女は、壺のところへ戻った。
石斛(せっこく)の花が咲いている。槐(えんじゅ)の花が咲いている。そうして厚朴(ほお)の花が咲いている。鹿が断崖の頂きを駆け、鷹(たか)が松林で啼いている。鵙(もず)が木の枝で叫んでいるかと思うと、鶇(つぐみ)が藪でさえずっている。
生死卍巴 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
呆(ほお)けたようにキョトンと口を半開きにしているものもいた。
蟹工船 (新字新仮名) / 小林多喜二(著)
「それで今、その女(ひと)は何うしているの?」お宮の瞳(め)が冴えて、両頬(ほお)に少し熱を潮(さ)して来た。
別れたる妻に送る手紙 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
何故かしらず、云い知れぬ気持の緊張に双頬(ほお)を白くしながら、キッパリと云った。
暗黒公使 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
またその逃げる軍を待ち受けて斬りましたから、鵜(う)のように河に浮きました。依つてその河を鵜河(うがわ)といいます。またその兵士を斬り屠(ほお)りましたから、其處の名をハフリゾノといいます。
竹内さんに獅子が来たと云うと、子供は雑煮の箸(はし)を投(ほお)り出して皆んな駈け出したものであった。その邸は二十七、八年頃に取り毀(こわ)されて、その跡に数軒の家が建てられた。
綺堂むかし語り (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
その声にふと眼がさめた時、涙は実際彼の煩(ほお)に、冷たい痕(あと)を止(とど)めていた。彼はそれから身を起して、かすかな榾明(ほたあか)りに照らされた、洞穴(ほらあな)の中を見廻した。
素戔嗚尊 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
険(けわ)しく高き石級をのぼり来て、臉(ほお)にさしたる紅(くれない)の色まだ褪(あ)せぬに、まばゆきほどなるゆふ日の光に照されて、苦しき胸を鎮(しず)めむためにや、この顛の真中なる切石に腰うち掛け
文づかひ (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
藤原経邦の如きに至っては、はじめ快飲を示していたけれど、とうとう心身共に蓬(ほお)けてしまい、げろを吐いて窮声喧々という有様だ。
酒渇記 (新字新仮名) / 佐藤垢石(著)
と、忽然頬肉(ほお)が落ちて、眼窩は空洞(うつろ)となって、——薄い霧のようなものがふんわりとその顔を押し包んだ……と思うと、それはやはり一個の骸骨に過ぎないのであった。
誰? (新字新仮名) / モーリス・ルヴェル(著)
手にあまる抵抗であった——それを意識した阿賀妻のそげた頻(ほお)から血がひいた。どこかの一点をぐいと睨(にら)んだ。瞳が白く光って、それは彼の挑む姿であった。
石狩川 (新字新仮名) / 本庄陸男(著)
太い涙が彼の頼(ほお)に流れた。彼女はごく低く言った。
この、新しい磯五のあるじは、こんがり焦げたような狐(きつね)いろの顔を、みがき抜いている人物である。そんな感じがするのだ。締まった額(ほお)と額部(ひたい)が、手入れのあとを見せて光っている。
巷説享保図絵 (新字新仮名) / 林不忘(著)