“朴”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ほお33.9%
ほう18.6%
ほほ16.9%
ぼく16.9%
きと3.4%
ほゝ3.4%
はう1.7%
すなほ1.7%
たお1.7%
ホホ1.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
大きな五つ紋の黒羽織(くろばおり)に白っぽい鰹魚縞(かつおじま)の袴(はかま)をはいて、桟橋の板を朴(ほお)の木下駄(きげた)で踏み鳴らしながら、ここを先途(せんど)とわめいていた。
或る女:1(前編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
とりこにしてある沢山の植木——朴(ほう)や楓(かえで)が、林のように茂っている庭の向うが、往来(みち)になっていて、そこで、数人の者が斬合っていた。
甲州鎮撫隊 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
祖母(おばあ)さんが朴(ほほ)の木(き)の葉(は)で包(つゝ)んで下(くだ)さる※(あつ)い握飯(おむすび)の香(にほひ)でも嗅(か)いだ方(はう)が、お錢(あし)を出(だ)して買(か)つたお菓子(くわし)より餘程(よほど)おいしく思(おも)ひました。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
が、その後約一年の後、私が朴(ぼく)と同棲してから、徐も私達のグループになって、一緒に機関紙を出したり、運動したりした。
津輕(つがる)海峽を四時間に駛せて、余等を青森から函館へ運んでくれた梅ヶ香丸は、新造の美しい船であつたが、船に弱い妻は到頭醉うて了うた。一夜函館埠頭の朴(きと)旅館に休息しても、まだ頭が痛いと云ふ。
熊の足跡 (旧字旧仮名) / 徳冨蘆花(著)
今晴れたかと思ふと直ぐ曇る、まことに沈着(おちつき)の無い空である。庭の松、葉銀杏(はいちやう)、吉野檜(よしのひのき)、遠くでは向う屋敷の欅(けやき)、朴(ほゝ)の木、柳、庭の隅の秋草まで、見る限りの葉が皆動く。
茗荷畠 (新字旧仮名) / 真山青果(著)
握(にぎ)りたてのおむすびが彼樣(あう)すると手(て)にくツつきませんし、その朴(はう)の葉(は)の香氣(にほひ)を嗅(か)ぎながらおむすびを食(た)べるのは樂(たのし)みでした。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
然れども上古の時、言と意と並(みな)朴(すなほ)にして、文を敷き句を構ふること、字にはすなはち難し。已(すで)に訓に因りて述ぶれば、詞は心に逮(いた)らず。全く音を以ちて連ぬれば、事の趣更に長し。
猟師は楓の細木を伐(き)り朴(たお)し、枝葉を払わないままで、柱を立て、私たちの用意して来た、二畳敷ほどな油紙二枚を、人字形に懸けて、家根を作る。
白峰山脈縦断記 (新字新仮名) / 小島烏水(著)
白い地面に、広い葉の青いまゝでちらばつて居るのは、朴(ホホ)の木だ。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)