“ぼく”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ボク
語句割合
72.5%
18.4%
2.6%
2.2%
1.7%
0.6%
0.4%
0.4%
吾輩0.2%
悪事0.2%
本官0.2%
0.2%
隠悪0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「うん。ぼくもさう思ふね。」も一人も同意しました。私の係りのアーティストがもちろんといふやうに一寸ちょっと笑って、私に申しました。
毒蛾 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
つい昨日までいた開墾小屋では、強い西陽はなえの育ちを思い、あしたの晴朗な気がぼくされて、この上もない光明であり希望であった。
宮本武蔵:06 空の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
千年の風雨も化力かりょくをくわうることができず、むろん人間の手もいらず、一ぼくそうもおいたたぬ、ゴツゴツたる石の原を半里あまりあるいた。
河口湖 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
なんの鋭さもない抗弁だが、高徳の吶々とつとつという言には、五郎と違うねばりがあった。ただのぼくとつかんとばかり彼を見ていた五郎は急に高徳を見直していた。
私本太平記:05 世の辻の帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
世にいうぎょしょうこうぼくの四隠のうち、彼のはそのいずれでもない。
夜明け前:04 第二部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
しかれども(二五)しよしよくつらね、ことじやうるゐし、もつ(二六)じゆぼく剽剥へうはくす。當世たうせい(二七)宿學しゆくがくいへど(二八)みづか解免かいめんすることあたはざるなり 其言そのげん(二九)洸洋自恣くわうやうじしもつおのれかなふ。
振い、ぼくたる玉の如き徳を含んで、遂に神人合一、十方世界を全身とする努力になければならぬ
として冬、川をわたるがごとく、ゆうとして四隣をおそるるがごとく、げんとしてそれ客のごとく、かんとしてこおりのまさにけんとするがごとく、とんとしてそれぼくのごとく、こうとしてそれ谷のごとく
茶の本:04 茶の本 (新字新仮名) / 岡倉天心岡倉覚三(著)
「しかし武男なんざ親父おやじが何万という身代をこしらえて置いたのだから、頑固だッて正直だッて好きなまねしていけるのだがね。吾輩ぼくのごときは腕一本——」
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
新「だけれども隠すにも何も仕様がない、本堂へ持って行かれりゃアすぐ悪事ぼくれるじゃアねえか、黙って埋めて遣るから云えというので」
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「帆村君、君は本官ぼく揶揄からかうつもりか。そこにじっと立っていて、なぜ、あの怪紳士の行方が分るというのだ」
流線間諜 (新字新仮名) / 海野十三(著)
三村三益、名はぼく、字は季崐きこん、一に道益と称した。山脇東洋の門人にして山村氏の医官である。木曾の薬草は始て此人によつて採集せられた。宝暦十一年に六十二歳で歿した。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
と云われこの時は永禪和尚もこれは隠悪ぼくれたわい、もう是れまでと思ってじゞばゞあを切殺して逃げるよりほかはないと、道中差どうちゅうざし胴金どうがねを膝の元へ引寄せて半身構えに成って坐り、居合いあいで抜く了簡
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)