“わたくし”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ワタクシ
語句割合
79.8%
8.9%
筆者1.6%
円朝1.1%
小生1.1%
作者0.8%
野生0.5%
0.5%
私念0.5%
私曲0.5%
0.3%
吾儕0.3%
小僕0.3%
小妹0.3%
一個人0.3%
下拙0.3%
不忘0.3%
0.3%
圓朝0.3%
小勝0.3%
小官0.3%
小甥0.3%
拙僧0.3%
拙者0.3%
私設0.3%
老人0.3%
老爺0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
誠に有難ありがたい事で、わたくしもホツといきいて、それから二の一ばん汽車きしや京都きやうと御随行ごずゐかうをいたして木屋町きやちやう吉富楼よしとみろうといふうちまゐりました
牛車 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
わたくしが、戦はなければならぬ相手は荘田勝平と云ふ個人ではありません。荘田勝平と云ふ人間の姿で、現れた現代の社会組織の悪です。
真珠夫人 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
この彼の好みを良く知っている筆者わたくしに照れたので、彼は思わず微笑したのだろうと思われる
ひとりすまう (新字新仮名) / 織田作之助(著)
かゝる事は円朝わたくし薩張さつぱりぞんぜずにりましたが、談洲楼焉馬だんしゆうろうえんばしたゝめた文によつ承知しようちいたしました。其文そのぶん
落語の濫觴 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
この大官人中の大官人と覺しく、えらさうなる一人頭をもたげて、フレデリツクとは誰ぞと糺問きうもんせり。畫工進み出でゝ、御免なされよ、それは小生わたくしの名にて、伊太利にていふフエデリゴなりと答ふ。吏。
作者わたくしは、百号ダイヤのことについて、あまりおしゃべりをすごし、かんじんの清君たちの話から脱線だっせんしてしまったようだ。では、章をあらためて述べることにしよう。
骸骨館 (新字新仮名) / 海野十三(著)
野生わたくしうちへおいで下さりますると、ああもったいない、雛形はじきに野生めが持ってまいりまする、御免下され、と云いさまさすがののっそりも喜悦に狂して平素つねには似ず
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
わたくしの持病です」と曾根は答えた。
家:01 (上) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
すべて、私念わたくしといふ陋劣さもしい心があればこそ、人間ひと種々いろいろあし企画たくらみを起すものぢや。罪悪あしきの源は私念わたくし、私念あつての此世の乱れぢや。
赤痢 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
御神楽だけの事はありしも気味きびよし、それよりは江戸で一二といはるゝ大寺の脆く倒れたも仔細こそあれ、実は檀徒から多分の寄附金集めながら役僧の私曲わたくし、受負師の手品、そこにはそこの有りし由
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
侍童 御方おんかたはかまかうとてはなってわせられました。とほくへはなれてゐいとおほせられましたゆゑ、わたくしはさやういたしました。
やがて燈火あかりったひとがわせて、はかひらかうとやしゃるやいな、御主人ごしゅじんけんかしゃれました。それでわたくし走出かけいだして夜番よばんしゅうびました。
話しお金は營業なりはひよりの歸り道二人が話しの容子ようすを聞き殘らず吾儕わたくしに話したるより其無念やる方なくかれを殺して身の汚名をめい
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
ハイ外に證據しようことても御座りませねど吾儕わたくし營業あきなひよりの歸りみち元益方の裏手うらてとほると箇樣々々の話しをば。
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
下人 おかたさま、お客人きゃくじんわたらせられ、御膳部ごぜんぶました、貴下こなたをばおめしひいさまをばおたづね、乳母おんばどのはお庖厨だいどころ大小言おほこゞとなにもかも大紛亂おほらんちき小僕わたくしめはこれからお給仕きふじまゐらにゃなりませぬ。
給仕 小僕わたくしぞんじませぬ。
小妹わたくし何故なぜこんな世の中に生きているのか解らないのよ』と少女むすめがさもさもたよりなさそうに言いました、僕にはこれが大哲学者の厭世論えんせいろんにもまさって真実らしく聞えたが
牛肉と馬鈴薯 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
貴様あなた母の言葉を気にして小妹わたくしを見捨ては不可いけませんよ』とささやき、その手を僕の肩にかけるが早いか僕の左のほおにべたり熱いものが触て一種、花にもまさる香が鼻先をかすめました。
牛肉と馬鈴薯 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
このうれしいとき——すでに大使命だいしめいをばかたをはつたるいま一個人わたくしことではあるが、わたくし松島海軍大佐まつしまかいぐんたいさむかつて、ひもし、かたりもしたきこと澤山たくさんある。
身命しんめいなき下拙わたくしに御座候へば、死する事は塵埃ぢんあいの如く、明日を頼まぬ儀に御座候間、いづれなり死の妙所を得て、天に飛揚致、御國家の災難を除き申度儀と堪兼候處より、相考居候儀に御座候。
遺牘 (旧字旧仮名) / 西郷隆盛(著)
ただ弱小じゃくしょう不忘わたくしごときの筆に当時の模様を巨細に写す力のないことを、私は初めから読者と老人とにお詫びしておきたい。
日本の金権を掌握するところの大都名邑めいゆうの紳士豪商諸君が、賛助の意を表したる一箇いっかの女子大学校が設立をまっとうする事が出来ぬとは、わたくしの信ずることの出来ぬところであります。
国民教育の複本位 (新字新仮名) / 大隈重信(著)
花弁はなびらが一輪ヒラ/\/\と舞込みましたのをお嬢さんが、斯う持った……圓朝わたくし此様こんな手附をすると、宿無やどなししらみでも取るようで可笑おかしいが、お嬢さんはほっと溜息をつき
いつぞや小勝わたくしが牛込の夜見世を素見ひやかしたら、あッたから見ると、団扇は団扇だが渋団扇でげす、落語家がすててこを踊ッている絵が描いてあるから、いくらだと聴きましたら、値段ねだんがわずかに八厘
随筆 寄席囃子 (新字新仮名) / 正岡容(著)
「……ハッ小官わたくしは今すこし負傷兵を片付けましてから……」
戦場 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
伯母さん、実に小甥わたくしもこうしてのこのこ上がられるわけじゃないのですが、——御恩になった故叔父様おじさんや叔母さんに対しても、また武男君に対しても、このまま黙って見ていられないのです。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
拙僧わたくしから申しましょう……』
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
奪ひ取りしは拙者わたくしに相違これなくしかしながら其鎌倉屋金兵衞を殺せし覺えは決して御座無く候と猶々強情に申居たりける
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
……今回の勲功いやちことあって、凄いようなご褒美いただいた上に、私設わたくしの女検非違使けびいし——のようなものにご任官だ! ……待ったり、任官はちとおかしい。官位を貰ったんじゃアないからなあ。
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「どう致しましてこの老人わたくしは、ご尊父様の時代からずっとずっとお邸内に住居しているものでございますよ」
大鵬のゆくえ (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「いいや、何でごぜエますよ、その、先月あとげつまでは奥様——ウンニャお嬢——ごご御病人様とばあやさんがおいでなさったんで、それからまア老爺わたくしがお留守をいたしておるでごぜエますよ」
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)