わたくし)” の例文
そもそも始よりわたくし心には何とも思はぬ唯継ただつぐに候へば、夫婦の愛情と申候ものは、十年が間に唯の一度も起り申さず、かへつて憎きあだのやうなる思も致し、其傍そのそばに居り候も口惜くちをしく、つくづうとみ果て候へば
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
わたくしの持病です」と曾根は答えた。
家:01 (上) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)