“てまえ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
手前46.9%
18.4%
14.3%
点前8.2%
此方4.1%
拙者2.0%
自分2.0%
前面2.0%
2.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
丁度あの木村さんの前ンとこなんで。手前てまえは初めは何だと思いました。棒を背後うしろかくしてましたから、遠くで見たんじゃ、ほら、分りませんや。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
奥方様のほか誰方どなたもおいでがないと、目を丸くして申しますので、何を寝惚ねぼけおるぞ、てまえが薄眠い顔をしておるで、お遊びなされたであろ、なぞと叱言こごとを申しましたが、女いいまするには、なかなか
伊勢之巻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
お前の処の娘をわきで欲しがる番頭とか旦那とか有るから世話を致そうと申しますが、てまえ取合いませんでした、すると昨年の暮廿九日に又てまえ方へ参りまして、三十金並べまして
政談月の鏡 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「御亭主には、いつのまにやら、お点前てまえ行作ぎょうさも、お見事になられましたな。きょうは、とくと拝見して余りのお変りように、思わず見恍みとれました」
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
大袈裟おおげさなのを笑いもしない女房は、その路連みちづれ、半町此方てまえぐらいには同感であったらしい
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
武士「何うだえ拙者宅てまえたくへ是を御縁としてな、拙者てまえ柳田典藏やなぎだてんぞうと申す武骨者だが、何うやらうやら村方の子供を相手にして暮して居ります」
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
拙者てまえも当地へ来て何うやら斯うやらうやって、うちを持って、いさゝか田畑を持つ様になって村方でも何うかり着いて呉れと云うのだが、永住致すにはさいがなけりア成らぬが
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「そう、恐縮されては、自分てまえも困る。まず一献いっこん
松のや露八 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
自分てまえも帰る」
松のや露八 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
松火の見えている沙丘の前面てまえから、鋭い胡笛かくの音が響いて来た。歩哨の兵が吹いたのでもあろう。と、そこからときの声が起こった。
沙漠の美姫 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
もみじのうちで、さしむかいに食べられた時を思いますと、てまえもう、ここが
式部小路 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)