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胴金
「井戸端には血を洗った跡もあるが、この
曲者は証拠をバラ
撒き過ぎるようだ。それに槍の穂だけ濡れて、
胴金の下から
柄へかけて少しも濡れていなかったようだな」
件の武士は縁台に腰を下ろしていたが、頭にいただいた
竹皮笠は取らず、細く
胴金を入れた大刀を取って
傍に置き、
伏目になった
面を笠の下からのぞくと、沈みきった色。
と云う声は
谺に響きます、
後の
三峰堂の中に
雨止をしていた
行脚の
旅僧、今一人は供と見えて
菅の深い
三度笠に廻し合羽で、
柄前へ皮を巻いて、
鉄拵えの
胴金に手を掛け