ぼく)” の例文
ぼくさんのご兄弟、おれたちが日頃よくはなしていた山東さんとう及時雨きゅうじう宋押司そうおうしさんがここに来ていらっしゃる! さあみんな、ごあいさつだ、ごあいさつだ」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
振い、ぼくたる玉の如き徳を含んで、遂に神人合一、十方世界を全身とする努力になければならぬ
もっとも、おかではあのぼくさんの兄弟に、なにか恨まれて追ッかけられて来たものらしい。……だが、チラと見るってえと、二人は端公、一人のほうは色の黒い江州送りの流刑人だ。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ははん、こいつかねを持ってやがるナと、そう睨んだのでぼくさん兄弟や若いのが、渡せ渡せと、岸でわいわいおどしゃあがったが、こっちも渡世と、とうとうお返し申さず仕舞いというわけさ
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)