“すなほ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
素直47.8%
温順26.1%
柔順8.7%
從順4.3%
順當2.2%
従順2.2%
2.2%
樸直2.2%
2.2%
質朴2.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
平次は素直すなほに折れました。殺しがあつた上は、事件の底の底までさぐつて、下手人を擧げてやらうと言つた、御用聞の責任感に立ちかへります。
細い美しい眉も、さも温順すなほに見えたが、鼻は希臘型ギリシヤがたとでもいふのか、形好く通ツて、花びらのやうな唇は紅く、あごは赤子の其のやうにくびれてゐた。
解剖室 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
と彼女は傍若無人と云つてもよいやうに、一番縁側の近くに坐つてゐる、若いモーニングを着た紳士をゆびさした。紳士は、柔順すなほにモヂ/\しながら立ち上つた。
真珠夫人 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
從順すなほ子蟹こがにはおしへられたやうにこゝろみました。けれどどうしても駄目だめでした。で
ちるちる・みちる (旧字旧仮名) / 山村暮鳥(著)
併し此の放下といふ方は難い傾きがあるから、先づ爲さねばならぬ事の方に取掛つて氣を順當すなほにするが宜しいのである。そして一着々々に全氣で事を爲す習を付けるのが肝要である。
努力論 (旧字旧仮名) / 幸田露伴(著)
爲さねばならぬこと、思はねばならぬ事が有つたらば、直に其に取り掛るが宜い。それは氣を順當すなほにするの道であるから、然樣さうすればおのづから氣が順當に流れて派散することが無くなる。
努力論 (旧字旧仮名) / 幸田露伴(著)
につたりとゆるやかに笑ひたまひ、婦女をんなのやうに軽く軟かな声小さく、それならば騒がずともよいこと、爲右衞門そなたがたゞ従順すなほに取り次さへすれば仔細は無うてあらうものを
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
然れども上古の時、言と意とみなすなほにして、文を敷き句を構ふること、字にはすなはち難し。すでに訓に因りて述ぶれば、詞は心にいたらず。全く音を以ちて連ぬれば、事の趣更に長し。
主人も我が樸直すなほなるをや喜びけん、書を取りて我にわたしていふやう。好し、一「パオロ」にて君に賣らん。その代には早く讀み試みて、本國の大詩人をあしざまに言ふことを止め給へ。
その時われは今の如く、汝はダンテを讀みたるかと問ひぬ。夢中の汝は、今よりすなほにて、我に眞を打ち明け、ハツバス・ダアダアが事をさへ語り出でぬ。何故に覺めたる後には我を隔てんとする。
男子をのこご二人、女子むすめ一人をもてり。太郎は質朴すなほにてよく生産なりはひを治む。二郎の女子は大和の人の𡣞つまどひに迎へられて、彼所かしこにゆく。三郎の豊雄とよをなるものあり。