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すなほ
ふりがな文庫
“
温順
(
すなほ
)” の例文
何様しても彼様しても
温順
(
すなほ
)
に
此方
(
こち
)
の身を退くより他に思案も何もない歟、嗚呼無い歟、といふて今更残念な、なまじ此様な事おもひたゝずに
五重塔
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
細い美しい眉も、さも
温順
(
すなほ
)
に見えたが、鼻は
希臘型
(
ギリシヤがた
)
とでもいふのか、形好く通ツて、花びらのやうな唇は紅く、
顎
(
あご
)
は赤子の其のやうにくびれてゐた。
解剖室
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
父
(
ちゝ
)
にまで
遠慮
(
ゑんりよ
)
がちなれば
自
(
おの
)
づから
詞
(
ことば
)
かずも
多
(
おほ
)
からず、一
目
(
め
)
に
見
(
み
)
わたした
處
(
ところ
)
では
柔和
(
おとな
)
しい
温順
(
すなほ
)
の
娘
(
むすめ
)
といふばかり、
格別
(
かくべつ
)
利發
(
りはつ
)
ともはげしいとも
人
(
ひと
)
は
思
(
おも
)
ふまじ
ゆく雲
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
此
(
この
)
幸運
(
こううん
)
に
乘
(
じやう
)
じて、
吾等
(
われら
)
は
温順
(
すなほ
)
に
昨日
(
きのふ
)
の
道
(
みち
)
を
皈
(
かへ
)
つたならば、
明日
(
めうにち
)
の
今頃
(
いまごろ
)
には
再
(
ふたゝ
)
び
海岸
(
かいがん
)
の
櫻木大佐
(
さくらぎたいさ
)
の
家
(
いへ
)
に
達
(
たつ
)
し、
此
(
この
)
旅行
(
りよかう
)
も
恙
(
つゝが
)
なく
終
(
をは
)
るのであるが、
人間
(
にんげん
)
は
兎角
(
とかく
)
いろ/\な
冐險
(
ぼうけん
)
がやつて
見
(
み
)
たい
者
(
もの
)
だ。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
よろづ
温順
(
すなほ
)
にして、君子の体を具へて小なるものともいひつべきさまなる、取り出でゝ賞むべきものにもあらぬやうなれど、なか/\に好まし。
花のいろ/\
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
▼ もっと見る
長吉のわからずやは
誰
(
た
)
れも知る乱暴の上なしなれど、信如の尻おし無くはあれほどに思ひ切りて表町をば
暴
(
あら
)
し得じ、人前をば
物識
(
ものしり
)
らしく
温順
(
すなほ
)
につくりて
たけくらべ
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
併
(
しか
)
し一
番
(
ばん
)
に氣に
適
(
い
)
ツたのは、
眉
(
まゆ
)
と眼で、眉は
單
(
たゝ
)
温順
(
すなほ
)
にのんびりしてゐるといふだけのことであツたが
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
長吉
(
ちやうきち
)
のわからずやは
誰
(
た
)
れも
知
(
し
)
る
亂暴
(
らんぼう
)
の
上
(
うへ
)
なしなれど、
信如
(
しんによ
)
の
尻
(
しり
)
おし
無
(
な
)
くは
彼
(
あ
)
れほどに
思
(
おも
)
ひ
切
(
き
)
りて
表町
(
おもてまち
)
をば
暴
(
あら
)
し
得
(
ゑ
)
じ、
人前
(
ひとまへ
)
をば
物識
(
ものしり
)
らしく
温順
(
すなほ
)
につくりて
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
何事も皆
天運
(
まはりあはせ
)
ぢや、此方の了見さへ
温順
(
すなほ
)
に
和
(
やさ
)
しく有つて居たなら又好い事の廻つて来やうと、此様おもつて見ればのつそりに半口与るも却つて好い心持
五重塔
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
一體螢といふ蟲は、露を
吸
(
す
)
ツて生きて居るやうな蟲だから、性質が
温順
(
すなほ
)
で
捕
(
つかま
)
へ易い。
水郷
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
我れも他人の手にて育ちし同情を持てばなり、何事も母親に氣をかね、父にまで遠慮がちなれば自づから詞かずも多からず、一目に見わたした處では柔和しい
温順
(
すなほ
)
の娘といふばかり
ゆく雲
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
我れも他人の手にて育ちし同情を持てばなり、何事も母親に気をかね、父にまで遠慮がちなれば自づから
詞
(
ことば
)
かずも多からず、一目に見わたした処では
柔和
(
おとな
)
しい
温順
(
すなほ
)
の娘といふばかり
ゆく雲
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
伯母
(
おば
)
が
高慢
(
こうまん
)
がほはつく/″\と
嫌
(
い
)
やなれども、あの
高慢
(
こうまん
)
にあの
温順
(
すなほ
)
なる
身
(
み
)
にて
事
(
こと
)
なく
仕
(
つか
)
へんとする
氣苦勞
(
きぐろう
)
を
思
(
おも
)
ひやれば、せめては
傍
(
そば
)
近
(
ちか
)
くに
心
(
こゝろ
)
ぞへをも
爲
(
な
)
し、
慰
(
なぐさ
)
めにも
爲
(
な
)
りてやり
度
(
たし
)
と
ゆく雲
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
いよいよおぬひが身のいたましく、伯母が高慢がほはつくづくと嫌やなれども、あの高慢にあの
温順
(
すなほ
)
なる身にて事なく仕へんとする気苦労を思ひやれば、せめては
傍
(
そば
)
近くに心ぞへをも
為
(
な
)
し
ゆく雲
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
まつりの夜の
處爲
(
しうち
)
はいかなる卑怯ぞや、長吉のわからずやは誰れも知る亂暴の上なしなれど、信如の尻おし無くば彼れほどに思ひ切りて表町をば
暴
(
あら
)
し得じ、人前をば
物識
(
ものしり
)
らしく
温順
(
すなほ
)
につくりて
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
温
常用漢字
小3
部首:⽔
12画
順
常用漢字
小4
部首:⾴
12画
“温”で始まる語句
温
温和
温泉
温柔
温気
温暖
温味
温泉宿
温泉場
温習