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芳
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ほう
毎年宇治の
銘を選んで
雲上に
献り、「玉露」と名付けて
芳を全国に伝ふ。当主を
坪右衛門と云ひ一男三女を持つ。
天下後世にその名を
芳にするも
臭にするも、心事の決断
如何に
在り、
力めざるべからざるなり。
爾のしろしめすごとくわが夫に天地の
正気鍾るあり、その壮宏たる富嶽のごとく、その
香しきこと
万朶の桜のごとく、その
秀その
芳万国ともに
儔し難し、我
如何にしてこの夫を欺くべけんや
帝これを
嘉賞し、故
翰林学士、
芳九
連の遺子
黛女を賜う。黛は即ち
芬の姉にして互いに
双生児たり。相並んで
貴妃の侍女となる。
時人これを呼んで
花清宮裡の
双蛺と称す。時に天宝十四年三月。