“日射”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ひざし71.4%
ひざ17.9%
ひあたり7.1%
ひかげ3.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
六月下旬の日射ひざしがもう正午ひるに近い。山國の空は秋の如く澄んで、姫神山ひめかみさんの右の肩に、綿の樣な白雲が一團、彫出ほりだされた樣に浮んでゐる。
鳥影 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
その声はよくとおり、一日中変わってゆく渓あいの日射ひざしのなかでよく響いた。そのころ毎日のように渓間を遊びほうけていた私はよくこんなことを口ずさんだ。
交尾 (新字新仮名) / 梶井基次郎(著)
真蔵は銘仙の褞袍どてらの上へ兵古帯へこおびを巻きつけたまま日射ひあたりの可い自分の書斎に寝転ねころんで新聞を読んでいたがお午時ひる前になると退屈になり、書斎を出て縁辺えんがわをぶらぶら歩いていると
竹の木戸 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
帰りにみんなは上野をぶらぶらした。池には蓮がすっかり枯れて、舟で泥深どろぶかい根を掘り返している男などがあった。森もやや黄ばみかけて、日射ひかげ目眩まぶしいくらいであった。
足迹 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)