“ひざし”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
日射51.3%
日光15.4%
日差10.3%
陽光7.7%
陽差7.7%
日脚2.6%
光線2.6%
陽射2.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
さて、その青鳶あおとびも樹にとまったていに、四階造しかいづくり窓硝子まどがらすの上から順々、日射ひざし晃々きらきらと数えられて、仰ぐと避雷針が真上に見える。
白金之絵図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ぽか/\した暮春ぼしゅん日光ひざしと、目にうつる紫雲英のあたたかい色は、何時しか彼をうっとりと三十余年の昔に連れ帰るのであった。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
はちえず三にん存在そんざい警戒けいかいしながらも、一しんに、敏活びんくわつはたらいた。あたまつち突進とつしんする。あしさかんつちをはねのける。それはしづかしたあかるいあき日差ひざしなかなみだあつくなるやうな努力どりよくえた。
画家とセリセリス (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
午後三時の秋の陽光ひざしが、静かな狭い小路の屋根や柳に懸ってゐる。ここまで来ると、彼は吻とするのだ。或る家の軒下には鶏が籠に入れられて、大根の葉を啄んでゐる。
背後 (新字旧仮名) / 原民喜(著)
暗さから出ると陽差ひざしへ目が眩み
鶴彬全川柳 (新字旧仮名) / 鶴彬(著)
木振賤きぶりいやしからぬ二鉢ふたはちの梅の影を帯びて南縁の障子にのぼり尽せる日脚ひざしは、袋棚ふくろだなに据ゑたる福寿草ふくじゆそうの五六輪咲揃さきそろへるはなびらに輝きつつ、更に唯継の身よりは光も出づらんやうに
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
お峯は苦笑にがわらひしつ。あきらかなる障子の日脚ひざしはそのおもて小皺こじわの読まれぬは無きまでに照しぬ。髪は薄けれど、くしの歯通りて、一髪いつぱつを乱さず円髷まるわげに結ひて顔の色は赤きかたなれど、いと好くみがきてきよらなめらかなり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
振返って、来た方を見れば、町の入口を、真暗まっくら隧道トンネル樹立こだちが塞いで、炎のように光線ひざしが透く。その上から、日のかげった大巌山が、そこは人の落ちた谷底ぞ、とそびえ立って峰からどっと吹き下した。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
さっきの四名の少年が冬の真昼の陽射ひざしを浴びて、それこそ嬉々として遊びたわむれていました。私は自然に、その少年たちの方にふらふら近寄ってしまいました。
美男子と煙草 (新字新仮名) / 太宰治(著)