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『背後』
ふりがな文庫
『
背後
(
はいご
)
』
重苦しい六時間の授業が終って、侃は一人で校門を出る。午後三時の秋の陽光が、静かな狭い小路の屋根や柳に懸ってゐる。ここまで来ると、彼は吻とするのだ。或る家の軒下には鶏が籠に入れられて、大根の葉を啄んでゐる。向ふの日棚では赤い縁の蚊帳が乾してあ …
著者
原民喜
ジャンル
文学 > 日本文学 > 小説 物語
文字種別
新字旧仮名
読書目安時間
約3分(500文字/分)
朗読目安時間
約5分(300文字/分)
作品に特徴的な語句
陽光
(
ひざし
)
乾児
(
こぶん
)
縊
(
くく
)
首
(
くび
)