“縊”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
くく39.8%
くび34.9%
くゝ15.5%
4.9%
くびれ0.7%
しば0.7%
しめ0.7%
0.7%
0.3%
く〻0.3%
くびくく0.3%
くびし0.3%
くゝつ0.3%
くゝり0.3%
くゝる0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「間違いもなく首をくくって、——それも検死の様子では、人に絞められたのでは無くて、自分で首を縊った年寄の巡礼だったんです」
こんな筈はなかったのにと、白シャツ一枚でしきりに我と我が喉のくびり方を研究している中に悪寒さむけを覚えて、用心の為め又三四日休んだ。
女婿 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
茶碗を預つた一番番頭の利八郎は首をくゝつて相果て、幸吉の父なる二番番頭の幸三郎は、それつきり行方不知になつて了つたのです。
めたりはせんのじゃ。野に咲くすがたを持って来て、こう気をもって水へ投げ入れる。——だからまずこの通り、花は死んでいない
宮本武蔵:03 水の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
した逃亡かけおちして來りし處喜八が右の一件に付兩人共生ては居られぬ其原そのもとの起りは吉之助殿初瀬留が故なりとてすでくびれんとするを漸々やう/\なだすかおき何卒なにとぞ喜八が罪を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
力の限り悶掻もがけども、更にそのせんなきのみか咽喉のどは次第にしばり行きて、苦しきこといはんかたなし。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
夢どころではござりますか、お前様、直ぐにしめ殺されそうな声を出して、苦しい、苦しい、鼻血が出るわ、目がまうわ、天窓あたまを上へ上げてくれ。
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
どうして自分はさっき首をらなかったのか、どうして江ノ島で海へ飛び込んでしまわなかったのか——便所へはいり、強烈な消毒薬を嗅ぐと、ふらふらと目眩めまいがした。
いのちの初夜 (新字新仮名) / 北条民雄(著)
彼が水戸を押えて京都を圧したるが如き、あたかもこれのどして背をつの政策にして、眼快ならざるにあらず、手利ならざるにあらず。しかれども彼はみずから大勢調子の外に立てり。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
たなからちる牡丹ぼたもちものよ、唐様からやうたくみなる三代目さんだいめよ、浮木ふぼくをさがす盲目めくらかめよ、人参にんじんんでくびく〻らんとする白痴たはけものよ、いわしあたま信心しん/″\するお怜悧りこうれんよ、くものぼるをねが蚯蚓み〻ずともがら
為文学者経 (新字旧仮名) / 内田魯庵三文字屋金平(著)
と革にすがったまま、ぐったりとなって、悄気しょげ返った職人のさまは、消えも入りたいとよりは、さながら罪を恥じて、自分でくびくくったようである。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「え! とんでもないです。それや早川さんの死ぬ事は、誰だって願っていますが……本当に、誰かくびしめる人があれば足位引っぱって手伝いするでしょうが……」
(新字新仮名) / 楠田匡介(著)
存命ながらへ孝行のよめに苦勞をさせんよりはいつそぬるぞましならん今宵の留守を幸ひに首をくゝつて死なんものと四邊あたりさぐり廻りけるに不※ふと細帶ほそおびの手にさはれば是幸ひと手繰寄たぐりよせ枕元まくらもとなる柱の根へ夜着よぎ布團ふとん
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
我故に何時いつ迄か苦しめて世に存命ながらへんよりはとてひそかに首をくゝりて死したりしに此姑に一人の娘ありて我が母を嫁の締殺しめころしたるならんと思ひ時の鎭臺ちんだいへ訴へ出けるに鎭臺不詮議ふせんぎにて孝行なる嫁を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
殺し汚面々々をめ/\我而已われのみいき勘當かんだうゆるさるゝとも何のよろこびかあらん我も冥土めいど途連みちづれせんとて既に首をくゝるべきていなれば初瀬留も是を聞き其元のおこりは皆私し故なれば倶々とも/″\しなんと同じく細帶ほそおび
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)