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縊
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し
ふりがな文庫
“
縊
(
し
)” の例文
縊
(
し
)
めたりはせんのじゃ。野に咲くすがたを持って来て、こう気をもって水へ投げ入れる。——だからまずこの通り、花は死んでいない
宮本武蔵:03 水の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
洋傘
(
かうもりがさ
)
は二本あつても、一本を高田氏に呉れてやつたら事は済む。「真理」が二つあつたら、博士は首を
縊
(
し
)
めなければならなかつたらう。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
今は
憂鬱
(
ゆううつ
)
に
眉根
(
まゆね
)
を寄せて苦い薬を飲まされたような、
頸
(
くび
)
を
縊
(
し
)
められた人のような、神秘な表情をしているのですが、私は彼女のこの寝顔が大へん好きでした。
痴人の愛
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
飛びついて抱こうとする手が
硬
(
こわ
)
ばって動かない。
化鳥
(
けちょう
)
のごとく飛びかかった、緋の
扱帯
(
しごき
)
を
空
(
くう
)
に
掴
(
つか
)
んで、自分の
咽喉
(
のど
)
を
縊
(
し
)
めようとするのを、じっと
押
(
おさ
)
えて留めました。
河伯令嬢
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「そこで唸っているのは佐原屋さんか? まるで
縊
(
し
)
め殺されるような声を出すじゃないか」
顎十郎捕物帳:14 蕃拉布
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
▼ もっと見る
彼様
(
あん
)
なはア
堅
(
かて
)
え義理を立てる人はねえ、此の前
彌次郎
(
やじろう
)
が
家
(
うち
)
の
鶏
(
とり
)
を
喜八
(
きはち
)
が
縊
(
し
)
めたっけ、あの時お
母
(
ふくろ
)
が義理が立たねえって其の通りの鶏を買って
来
(
こ
)
ねえばなんねえと、幾ら探しても
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
一体
浪花節語
(
なにはぶしかた
)
りは、首を
縊
(
し
)
められた
鶩
(
あひる
)
のやうに、一生に一度出せばよい声を、ざらに絞り出すので誰でもが病的になつてしまふ。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
人々は、彼の人物を惜しんだが、王允は獄に下して、
免
(
ゆる
)
さなかった。そのうちに何者かのために獄の中で
縊
(
し
)
め殺されてしまった。
三国志:03 群星の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
佐原屋清五郎は頸に巻きつけている蕃拉布で、力まかせに頸を
縊
(
し
)
められて死んでいた。
顎十郎捕物帳:14 蕃拉布
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
泥除
(
どろよけ
)
に
噛
(
かじ
)
りつくまでもなく、
與曾平
(
よそべい
)
は
腰
(
こし
)
を
折
(
を
)
つて、
礑
(
はた
)
と
倒
(
たふ
)
れて、
顏
(
かほ
)
の
色
(
いろ
)
も
次第
(
しだい
)
に
變
(
かは
)
り、
之
(
これ
)
では
却
(
かへ
)
つて
足手絡
(
あしてまと
)
ひ、
一式
(
いつしき
)
の
御恩
(
ごおん
)
報
(
はう
)
じ、
此
(
こ
)
のお
供
(
とも
)
をと
想
(
おも
)
ひましたに、
最
(
も
)
う
叶
(
かな
)
はぬ、
皆
(
みんな
)
で
首
(
くび
)
を
縊
(
し
)
めてくれ
雪の翼
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
白粉
(
おしろい
)
のにおいを思って暴れる血を
縊
(
し
)
めころすように抑えて眠る努力は、剣の前に見る敵とはちがって彼も、どうすることもできないのである。
宮本武蔵:04 火の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ロツクフエラアは子供の言つた事を繰返し/\、首を
縊
(
し
)
められた
家鴨
(
あひる
)
のやうな顔をして、暫くは
其処
(
そこ
)
に
衝立
(
つゝた
)
つてゐたさうだ。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
「おのれ、誰に頼まれて、われわれの御主人を
暗討
(
やみう
)
ちしようとした。申せ。
実
(
じつ
)
を
吐
(
ぬ
)
かさねば
縊
(
し
)
め殺すぞ」
新書太閤記:02 第二分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と首を
縊
(
し
)
められたやうな声をして我鳴つたが、運転手の方でも負けぬ気になつて
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
三浦
義連
(
よしつら
)
は、菅六のすぐ側にいたので、馬上から襟がみをつかんで引寄せ、
縊
(
し
)
め殺しかねない顔をした。
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
自己の余生を全く自身で
縊
(
し
)
め殺しているような心理になってしまったものらしいのである。
宮本武蔵:07 二天の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
なぜならば、もういつもの半狂乱のていになった田弓は、そこに仲よく遊んでいる
頑是
(
がんぜ
)
ない二人の
幼児
(
おさなご
)
を、
縊
(
し
)
め
殺
(
ころ
)
しかねない血相で抱きしめ、手に、懐剣を抜いているからだった。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
麻の葉
絞
(
しぼ
)
りの
扱帯
(
しごき
)
で首を
縊
(
し
)
め殺されている十五か、六ごろの、痛々しい、
雛妓
(
おしゃく
)
の死骸が、うごかない
酷
(
むご
)
さと、冷たい美しさを持って、老先生の眸のなかへ、反射的に、飛びこんで来た。
牢獄の花嫁
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
突然、寝ている朱実が
縊
(
し
)
め殺されでもするようにさけんで
宮本武蔵:04 火の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
縊
漢検1級
部首:⽷
16画
“縊”を含む語句
首縊
縊殺
縊死
見縊
縊死体
縊死者
縊付
縊死人
縊死自殺
縊附
首縊幽霊
首縊松