“くく”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:クク
語句割合
57.1%
23.9%
10.9%
煦々1.4%
区々1.4%
0.8%
0.6%
區區0.4%
0.4%
0.4%
踽々0.4%
九九0.2%
0.2%
句々0.2%
拘々0.2%
栩々0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
建築用けんちくようの木材は火にてき切り又は打製石斧いしおのにてたたりしなるべし、是等をくくり合するには諸種のなわ及び蔦蔓つたづるの類を用ゐしなるべし
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
二、趙家では道士を喚んで首くくりの幽霊を祓う事(首縊幽霊くびくくりゆうれいは最も獰猛なる悪鬼あくきで、阿Qが女を口説いたのもその祟りだと仮想する)
阿Q正伝 (新字新仮名) / 魯迅(著)
式部が唐櫃のまえで引っくくられたときに、行者も善八の縄にかかっていた。小娘の藤江は勿論なんの抵抗もなしに引っ立てられた。
半七捕物帳:26 女行者 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
はその中腹あたりの岩肌をキラキラと輝かせているが、天地万物せきとしてしかも陽だけが煦々くくとして、なごやかにこの野原に遊んでいる。
墓が呼んでいる (新字新仮名) / 橘外男(著)
俊寛 しかしそれは区々くくたる小役人こやくにんのすることだ。大いなる役人は文書の意のあるところをくみとるべきだ。
俊寛 (新字新仮名) / 倉田百三(著)
ミルクのくだくくませて——公園のベンチの上に捨てませう
都会と田園 (新字旧仮名) / 野口雨情(著)
そう思うと、彼は腰に下げていた手拭をはずして女の首をくくった。
恩讐の彼方に (新字新仮名) / 菊池寛(著)
穰苴じやうしよ區區くくとして小國せうこくめにるがごとき、なん司馬しば兵法へいはふ(三九)揖讓いふじやうおよぶにいとまあらんや。すで司馬しば兵法へいはふおほし、ゆゑもつろんぜず、穰苴じやうしよ列傳れつでんあらはす。
姫は、いつとなく、もとどりをとり束ねて、襟から着物の中に、くくみ入れた。夜中になって、風雨が止み、星空が出た。
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
マツダとマークするからは最初から腹をくくっていた筈だのに、所詮は、金儲け出来ぬ男だと、権右衛門は松田をおどしたり、そゝのかしたりした揚句、有金全部はたいて
俗臭 (新字新仮名) / 織田作之助(著)
踽々くくとしてひとり行くと云う句に似ている。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
まだちいさかったからおぼえてもいまいが、お父上ちちうえはな、さむらいのかねかんじょうなどならうものじゃないといって、わたしがかよっていたならいの先生せんせいが、かけざんの九九くくをおしえたら
円い肩、ふくよかの胸、ほどよくくくれた細い腰、ピチリと合わさって隙のない股、乳房の円味は半月形であり、はぎの線など弓のようであった。
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
この「ク」はいわゆる「木祖句句迺馳きのおやくくのち草祖草野姫くさのおやかやのひめ」の句々くくで、つまりは「キ」という語と同原であったのを、総称には「キ」といい、薪にのみ「ク」というように分化したのか
地名の研究 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
今代芸術きんだいげいじゅつの一大弊竇へいとうは、いわゆる文明の潮流が、いたずらに芸術の士を駆って、拘々くくとして随処に齷齪あくそくたらしむるにある。裸体画はその好例であろう。都会に芸妓げいぎと云うものがある。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
鴻雁こうがん翔天しょうてんつばさあれども栩々くくしょうなく、丈夫じょうふ千里の才あって里閭りりょに栄すくなし、十銭時にあわず銅貨にいやしめらるなぞと、むずかしき愚痴ぐちの出所はこんな者とお気が付かれたり。
突貫紀行 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
そこでそのお家へ、大切な品はよくくくって幾つか預け、手廻てまわりの品だけ持って引移りましたが、どんな些細ささいな物にも名残が惜しまれるのでした。
鴎外の思い出 (新字新仮名) / 小金井喜美子(著)
「無」になる為めには勿論生死を出ていなくてはならぬ。何時いつでも死んでもいい腹は一番にくくっておかねばならぬ物である。武蔵に見出された時の都甲太兵衛が、細川公の前で武蔵から
鍵屋の辻 (新字新仮名) / 直木三十五(著)
それは彼らの間を妙に強くくくりつけ、親密にしたようだった。
海に生くる人々 (新字新仮名) / 葉山嘉樹(著)
「しかし、それにしてはに落ちぬ御作法、上役人かみやくにんともある方々が、なんで、吾らのくくり舟へ、会釈もなく踏みこみ召された」
鳴門秘帖:04 船路の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
くくあごをわざと突き出したほど上をき、左の牙歯いときりば上唇うわくちびるんでいるので、高い美しい鼻は高慢らしくも見える。
今戸心中 (新字新仮名) / 広津柳浪(著)
わびしかるべきくくだちのひたしもの、わけぎのぬたも蒔絵の中。惣菜そうざいもののしじみさえ、雛の御前おまえ罷出まかんづれば、黒小袖くろこそで浅葱あさぎえり。海のもの、山のもの。たかんなはだも美少年。
雛がたり (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
羽蚤はむしに痩せ衰えた雞が卵も生まずにくくられる
飢えたる百姓達 (新字新仮名) / 今野大力(著)