“梱”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
こり68.0%
こうり20.0%
しきみ4.0%
くく4.0%
こおり4.0%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ところがある晩、彼は酒場から出て、町はずれの街道で、数歩前のところに、例のこりを背負ってるゴットフリート叔父おじのおかしな影を見つけた。
——なおまた、八の吉字にちなんで、米八石、絹八匹、檀紙だんし八束、薬八袋、白布八反、うるしおけ綿わたこり、砂金八両。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
私は、新聞配達しているとき、新聞社から貰った印絆纏が、こりに入れてあるのを想いだしたのである。地下足袋も股引も、新聞配達には付き物であった。
泡盛物語 (新字新仮名) / 佐藤垢石(著)
十七世紀のサン・シモン公の回想録には、エストレー伯爵という愛書狂が全く読まぬ書物を五万二千冊、それも釘づけのこりに入れて所有していたと書いてある。
愛書癖 (新字新仮名) / 辰野隆(著)
そしてその大部分はすでに発送されたあとらしく、いくこりかの荷が小ぢんまりと一ところに積んであり、がらんとなった部屋々々は掃除までがきれいに行きとどいていた。
次郎物語:04 第四部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
実はすこし悪い病であるが、留守をしながら、いつもは手をつけては怒られるような戸棚の中やこうりの底などをソッと明けてみるのが非常に楽しみだったのである。
鍵から抜け出した女 (新字新仮名) / 海野十三(著)
と小次郎は、こうりの一つに腰かけて、帳場の佐兵衛をふり顧りながら、扇を胸にうごかしていた。
宮本武蔵:08 円明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
……半裸体の奴隷達は船の中から歩き板を伝って、こうりを担ぎ出して居た。
大衆文芸作法 (新字新仮名) / 直木三十五(著)
あちらのこうり、こちらの梱をあけて、山のように積みあげた着替えの中から、手に触れたのをめくら探りに二枚つまみあげると、くるくると小ひもで結わえて、そこの鴨居かもいのところへぶらりとつりさげながら、取りよせたすずりの筆をとって、さらさらと不思議な文句を懐紙に書きしたためました。
朝から小林太郎左衛門の店と河岸の前には、おびただしい行旅こうりょの荷物やらこうりやらが、淀川から廻送され、それをまた、門司もじせきへ行く便船に積みこむので、ひどく混雑していた。
宮本武蔵:08 円明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
するとすぐに「はい。」と云う、含み声の答があって、そっと障子を開けながら、入口のしきみに膝をついたのは、しおらしい十七八の娘です。
妖婆 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
あの優しい含み声の返事も、その時は震えていたようですが、やがて静に障子が開くと、しきみ越しに手をついた、やつやつしいお敏の姿が、次の間からさす電燈の光を浴びて、今でも泣いているかと思うほど、悄々とそこへ現れました。
妖婆 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
そこでそのお家へ、大切な品はよくくくって幾つか預け、手廻てまわりの品だけ持って引移りましたが、どんな些細ささいな物にも名残が惜しまれるのでした。
鴎外の思い出 (新字新仮名) / 小金井喜美子(著)
横浜へ来てから、さんざん着きってしまった子供の衣類や、古片ふるぎれ我楽多がらくたのような物がまたこおりも二タ梱も殖えた。
足迹 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)