しきみ)” の例文
するとすぐに「はい。」と云う、含み声の答があって、そっと障子を開けながら、入口のしきみに膝をついたのは、しおらしい十七八の娘です。
妖婆 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
しきみ越しに手をついた、やつやつしいお敏の姿が、次の間からさす電燈の光を浴びて、今でも泣いているかと思うほど、悄々とそこへ現れました。
妖婆 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)