“しきみ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:シキミ
語句割合
78.2%
12.6%
敷満3.4%
2.3%
1.1%
色味1.1%
莽草1.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
老人は北枕に寝かされ、逆さにした枕屏風まくらびょうぶと、貧しいしきみの壺と、細い線香の煙にまもられていた。……お留伊は顔の布をとってみた。
鼓くらべ (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
さてこれにほかの凡ての願ひの集まるためには、謀りて而して許諾うけがひしきみをまもるべき力自然に汝等の中に備はる 六一—六三
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
なぎさには敷満しきみちたが、何んにも見えない処でも、わずかに砂を分ければ貝がある。まだこの他に、何が住んでいようも知れぬ。手の届く近い処がそうである。
春昼後刻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
やがて白木の机の上に、しきみと線香立と白団子が並べられて、蝋燭ろうそくが弱い光を放った時、三人は始めて眠からめない宵子と自分達が遠く離れてしまったという心細い感じに打たれた。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
するとすぐに「はい。」と云う、含み声の答があって、そっと障子を開けながら、入口のしきみに膝をついたのは、しおらしい十七八の娘です。
妖婆 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
しきみ越しに手をついた、やつやつしいお敏の姿が、次の間からさす電燈の光を浴びて、今でも泣いているかと思うほど、悄々とそこへ現れました。
妖婆 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
恋愛は人生の秘鑰ひやくなり、恋愛ありて後、人世あり。恋愛をき去りたらむには人生何の色味しきみかあらむ。
桜の実の熟する時 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
学名は日本産大茴香だいういきょう、普通に莽草しきみ又はハナシバなぞと呼ばれる木蘭もくらん科の常緑小喬木の果実であってな。
とむらい機関車 (新字新仮名) / 大阪圭吉(著)