“こり”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
狐狸50.7%
12.3%
行李6.5%
6.5%
垢離6.5%
5.8%
3.6%
骨柳0.7%
凝結0.7%
古狸0.7%
古里0.7%
庫裡0.7%
0.7%
浴離0.7%
箇裏0.7%
軍梱0.7%
0.7%
鬱血0.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
世に言う狐狸こりのたぐいにばかされたのかも知れぬと考えると、急に、むらむらと冒険心が湧いて来て、却ってうれしいような気分になり
狂女と犬 (新字新仮名) / 小酒井不木(著)
背にかついでる大きなこりの中には、あらゆる物がはいっていた、香料品、紙類、糖菓類、ハンケチ、襟巻えりまき履物はきもの罐詰かんづめこよみ小唄こうた集、薬品など。
けふこのミュンヘンのに来て、しばし美術学校の『アトリエ』借らむとするも、行李こりの中、唯この一画藁いちがこう、これをおん身ら師友の間にはかりて、成しはてむと願ふのみ。
うたかたの記 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
「漆検校の門弟佐の市、それは大した者だ、噂は聞いて居る、肩のこりの取れるようなのを一本やって貰おうか」
禁断の死針 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
山清水の溜井たまりい垢離こりをとって、白い下着に、墨の法衣ころもをつけ、綽空は、叡福寺のくりやから紙燈芯かみとうしんを一つもらって、奥の御霊廟みたまやへ一人すすんで行った。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
私は舌をあらしているのにこりもせず、煙草を取り出して火をつけた。そして路のきを見ると路に沿って山吹や木苺が叢生していた。
遠野へ (新字新仮名) / 水野葉舟(著)
悪い事を云ったねえ…何うもこりゃア…あゝ悪い事を云った、悪い事を云いましたねえ、何うも飛んだ事を云った、これ程じゃアねえと思ってうっかり云ったが
なすよし女房は屏風を立廻たてまはし床にかゝありしが後の方に骨柳こり一ツ有しを夫を改めんとなすをつまは此品は不正ふせいものならずと手を出す役人共はらひ退て中を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
致させしに夜具衣類迄姑女の着たるは格別かくべつ垢染あかじみも爲ず綿なども澤山に入てあり又菊が分はたゞ今夫に着て居る外は何一ツなきがされども破れたる骨柳こり一ツあり其中に反古ほご
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
そのうちに庄次郎は、肩から両腕、棒のような凝結こりに、刀の重さがこたえて来るし、口はふいごみたいに渇いた呼吸いきを大きくする。
松のや露八 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
古い屋敷だからおおかた古狸こりきつねの類が住んでいて、夜間ばけて出て鶏をさらってゆくのだろうと言い出した。
迷信と宗教 (新字新仮名) / 井上円了(著)
と見え——もちろんこれは古里こりの六町を一里とかぞえる大ざっぱな里程ではあるが——歩いての旅でも、片道二十五、六日といわれていた。
私本太平記:10 風花帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
何時いつまでつてゐても音沙汰おとさたがないので、宗助そうすけ不思議ふしぎおもひをして、また庫裡こりもんはう引返ひきかへした。すると石段いしだんしたから剃立そりたてあたまあをひからしたばうさんがあがつてた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
盡し兄弟はらからなかむつましく兄は弟を思ひ弟は兄を尊敬うやまひ日々にち/\農業のうげふ耕作かうさく油斷ゆだんなくせいを出しひまある時は山に入てたきゞこり或ひは日雇ひよう走り使ひ等に雇はれ兩人とも晝夜を分たずかせぎて親半左衞門を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
七年以来、一朝として水浴離こりを取らない朝はなかつた。神に捧げた心、昔の由緒ある宮の再興に捧げた半生といふ形であつた。
初冬の記事 (新字旧仮名) / 田山花袋田山録弥(著)
禅僧がよく「這裏しゃり」とか「箇裏こり」とか「箇中」とかいうが、面白い表現で「現下のこのもの」という意である。
民芸四十年 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
その一輛の軍梱こりのあいだに、萩乃は乗せてもらって来た。足軽や、荷駄の者と、すっかり懇意になったおかげである。
篝火の女 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
こりれる塔になよりそ川隅かわくま屎鮒くそぶなはめるいたき女奴めやつこ (巻十六)
日本精神史研究 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
塗りつけた紳士の顔と、【鬱血こりもとります】という文句が記してあるだけで、それ以外には何も書いてない
(新字新仮名) / ニコライ・ゴーゴリ(著)