“こお”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
66.0%
9.3%
9.3%
4.0%
3.3%
2.7%
可恐2.0%
1.3%
0.7%
冷凍0.7%
0.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「もう、何べん空がめぐったでしょう。たいへんさむくなりました。海がなんだかこおったようですね。波はもう、うたなくなりました」
シグナルとシグナレス (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
その意気の尊さはいうまでもない。然しその尊さの蔭には尊さそのものをもこおらせるような淋しさが潜んでいる。
惜みなく愛は奪う (新字新仮名) / 有島武郎(著)
こおったようなその部屋の中に、シイカと夫と彼らの子とが、何年も何年も口一つきかずに、おのおの憂鬱な眼差しを投げ合って坐っていた。
(新字新仮名) / 池谷信三郎(著)
「さようでござりましょうとも——立派なお武家が、役者風情をお連れなさるのに、よほどこおうのうては、これ程のお支度はなされますまい」
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
雪渓の表面には水蒸気がこおって烟のように漂い、風に連れて渦を巻きながら太い柱のようになって動いて行くことなどもある。其中に巻き込まれると生温るい感じがする。
白馬岳 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
(はい、御門の処に馬車が居てこおうございましたから間違えてこっちへ参りました、どうも失礼。)
三枚続 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「婆やは可恐こおうございますからね」と書いてよこした。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
ケッタカ、ケッタカ。蹴ってやる。おどれや。もう健にくされ、健はうちのこおとちがうがい、健い帰にくされ。
大根の葉 (新字新仮名) / 壺井栄(著)
主人とブレインとは互に議論を戦わしたが、二人ともガロエイ卿に助けをこおうとはしなかった。しばらくするとその討論もひどくだれ始めた。ガロエイ卿もそこを立上って客間を目指した。
冷凍こおっていた五臓に若々しい血を湧返わきかえらせ、たえかたわらから烈しい火を燃しつけた。
松井須磨子 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
荘子そうじ』に曰く、「至人しじんしんなり。大沢だいたくくるもくあたわず。河漢かかんこおれどもこごえしむるあたわず」と。また曰く、「死生しせいはまた大なり。しかるにこれと変ずるを得ず」
通俗講義 霊魂不滅論 (新字新仮名) / 井上円了(著)