“おっか”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
阿母34.4%
追掛11.6%
11.6%
追蒐7.4%
御母6.3%
4.8%
追駈4.2%
追懸4.2%
母親2.6%
養母2.6%
母上1.1%
継母1.1%
追駆1.1%
可恐1.1%
1.1%
義母1.1%
追馳1.1%
慈母0.5%
老母0.5%
女房0.5%
蔽被0.5%
阿媽0.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そこで酒宴が開かれますと、花聟の阿父おとっつぁん阿母おっかさんは花聟および花嫁媒介人なこうどならびに送迎人らに対して例の一筋ずつのカタを与える。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
ワッとおびえて、小児こどもたちの逃散る中を、団栗どんぐりの転がるように杢若は黒くなって、凧の影をどこまでも追掛おっかけた、その時から、行方知れず。
茸の舞姫 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「ナアに、こんな病気に負けておりゃせんから、おっかさん。心配しないほうがいいよ。今死んでは、生まれて来たかいがありゃしない」
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
若い男を突き飛ばしておいた船頭は、腰に差していた斧を無意識に抜き取って、右の手に引提ひっさげたまま、透かさずお角の後を追蒐おっかけました。
大菩薩峠:18 安房の国の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
「あの時王子の御父おとっさんは、家へ帰って来るとお島は隅田川すみだがわへ流してしまったと云って御母おっかさんに話したと云うことは、お前も忘れちゃいないはずだ」
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
爺「わりゃア勘太だな、まだ身持が直らず他人様ひとさまに御迷惑をかけアがるか、お女中さん何もおっかねえことアごぜいましねえ、この悪たれはわしが餓鬼」
宛ながら足の四本に止まるをうらむが如く、一口ひとくちに他の犬をうてしまうことが出来ぬを悲しむ如く、しこ壮夫ますらおデカ君が悲鳴をあげつゝ追駈おっかける。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
と小兼は跣足はだしで駈出しながら、半治さアん/\/\待ってお呉れようー。と山坂を駈下りて追懸おっかけます。
「またあんな事を言ッて……昨日きのうあれ程そんな覚えは無いと言ッたのが母親おっかさんには未だ解らないの、エ、まだ解らないの」
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
「あたしはネ……知ってるだろ。よもぎの寮の養母おっかさんとも別れちまって、それからいろんな目に会ってね」
宮本武蔵:06 空の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
母上おっかさん、そりゃア貴女あなた軍人が一番お好きでしょうよ」とじろりその横顔を見てやる。母のことだから
酒中日記 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
継母おっかさんが悪いんです、継母さんが、わたしをにくんでこんなにしてしまったのです、その前のわたしは、綺麗きれいな子でした、誰も、わたしをめない人はありませんでした、それだのに
大菩薩峠:19 小名路の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
窠宿の方へ走りゆけば、狐はかくとみるよりも、周章狼狽あわてふためき逃げ行くを、なほのがさじと追駆おっかけて、表門をいでんとする時、一声おうたけりつつ、横間よこあいよりとんで掛るものあり。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
いや、お前も、可恐おっかながる事は無い。……
吉原新話 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「そうよ、おっかねえとこよの、何でもいうことをかねえじゃあ。」
わか紫 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
義母おっかさんがよしそう云ったからって、私まで同意すると思うんかい。
栄蔵の死 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
追馳おっかけてみようか?」
白妖 (新字新仮名) / 大阪圭吉(著)
「実に面目が無い、貴嬢あなたの前をもはばからずして……今朝その事で慈母おっかさんに小言を聞きました。アハハハハ」
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
慈母おっかさん」とお勢は何をか憶出して事有り気に云ッた。「本田さんは何故なぜ来ないンだろう?」
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
あんなに私がしおれて正直に出たのだからお前の老母おっかさんがよもやうそをいいはすまい。そうすると嫁いているに違いない。嫁づいているとすれば、返すがえすも無念だ。
うつり香 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
昨日きのうこれこれでお前の老母おっかさんから聴いたという話しをすると
うつり香 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
「坊主、咽喉のどが乾いたろうで、水のかわりに、すきなものを遣るぞ。おお、女房おっか肖如そっくりだい。」
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
それですから泥棒の迫害を防ぐために砂を蔽被おっかぶせておく。翌日の朝までその火がよく保てるようにして置くです。するとまず非常の寒さのために凍えて死ぬの寝られんのというようなこともない。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
「勝手にピイピイ吹いておれ、でんでん太鼓にしょうの笛、こっちあ小児こどもだ、なあ、阿媽おっか。……いや、女房おかみさん、それにしても何かね、御当処は、この桑名と云う所は、按摩の多い所かね。」
歌行灯 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)