“おいか”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
追駈30.4%
追蒐17.4%
追駆17.4%
追掛15.2%
追馳8.7%
追懸6.5%
御怒2.2%
逐蒐2.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「いや、僕がいま追駈おいかけていたのです。もしや犯人ではないかと思ったのでネ」と一郎は云ってあたりの木立を見廻わした。
恐怖の口笛 (新字新仮名) / 海野十三(著)
そして此処迄出て参りますと、此人が追蒐おいかけて来て、私が不都合な事をしたって取調べようとするんですの。私は何もそんな覚えはありませんし、こんな人から調べられる理由はないんですの。
偽刑事 (新字新仮名) / 川田功(著)
かくて黄金丸は、ひたすら帰途かえりを急ぎしが、路程みちのほども近くはあらず、かつは途中にて狼藉せし、猿を追駆おいかけなどせしほどに。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
と前に立つて追掛おいかけると、ものの一ちょうとはへだたらない、石垣も土塀どべいも、むぐらみち曲角まがりかど突当つきあたりに大きなやしきがあつた。
雨ばけ (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
なんといふおもむきのある招待アンヴィタションの言葉だらう。そして決闘以外にこの言葉を生かして使ふみちは無い。フランスに於ては言葉が先に生れて事実はあとを追馳おいかけることが往々ある。
(新字旧仮名) / 岡本かの子(著)
これは怪しい。少し変だが追懸おいかけて名前だけでも聞いてようか、それも妙だ。いっその事黙ってあとを付けて行く先を見届けようか、それではまるで探偵だ。そんな下等な事はしたくない。
趣味の遺伝 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
や/\それは八重やへらねばぞ杉原すぎはらさまはそのやうな柔弱にうじやく放垨はうらつなおひとければ申してからが心配しんぱいなり不埒者ふらちものいたづらもの御怒おいかりにならばなんとせん
五月雨 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
女が転把テンパの上げ方を知らないで、間誤間誤まごまごしているすきを狙って、一足飛びに逃げのくと、あとから銃身を逆手に振上げた女が、阿修羅のように髪を逆立さかだてて逐蒐おいかけて来る。
キチガイ地獄 (新字新仮名) / 夢野久作(著)