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追駈
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おいか
ふりがな文庫
“
追駈
(
おいか
)” の例文
私が号外売りを
追駈
(
おいか
)
けて行って買ったのは、暑い夏の頃で、ヂリヂリ照りつける陽で道の砂が足裏(私達
小児
(
こども
)
はみな
大抵
(
たいてい
)
跣足
(
はだし
)
で過した)
戦争雑記
(新字新仮名)
/
徳永直
(著)
「いや、僕がいま
追駈
(
おいか
)
けていたのです。もしや犯人ではないかと思ったのでネ」と一郎は云ってあたりの木立を見廻わした。
恐怖の口笛
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
今まで
躊躇
(
ちゅうちょ
)
していた芳江は、嫂の姿が見えなくなるや否や急に意を決したもののごとく、ばたばたとその
後
(
あと
)
を
追駈
(
おいか
)
けた。
行人
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
それを見て、直に新聞記者たちの幾台かの自動車も
追駈
(
おいか
)
けて走ったが、東京へはいると突然、間を
遮
(
さえぎ
)
る自動車が飛出して来て、目的通りに邪魔を入れてしまった。
芳川鎌子
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
仔細
(
しさい
)
はないのでございますがな、この役者なかまと申しますものは、何かとそのつきあいがまた……
煩
(
うるさ
)
いのでして、……京から
芸妓
(
げいこ
)
はんが路之助を
追駈
(
おいか
)
けて逢いに来たわ
白花の朝顔
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
どこかで、押しつぶした様な、いやな
鶏
(
にわとり
)
の鳴声がした。それを聞くと彼はもう
堪
(
たま
)
らなくなって逃げだしてしまった。墓場を通り抜ける時は何かに
追駈
(
おいか
)
けられている気持だった。
一寸法師
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
こうした
考
(
かんがえ
)
を一瞬間のうちに頭に
閃
(
ひら
)
めかした私は、又も、何者かに
追駈
(
おいか
)
けられているような予感がして、チョット腕時計と電気時計を見較べた。どちらも十二時に四分前である。
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
一
匹
(
ぴき
)
の
犬
(
いぬ
)
は
吠
(
ほ
)
えながら
彼
(
かれ
)
を
追
(
お
)
う。
後
(
うしろ
)
の
方
(
ほう
)
では
農夫
(
のうふ
)
が
叫
(
さけ
)
ぶ。イワン、デミトリチは
両耳
(
りょうみみ
)
がガンとして、
世界中
(
せかいじゅう
)
のあらゆる
圧制
(
あっせい
)
が、
今
(
いま
)
彼
(
かれ
)
の
直
(
す
)
ぐ
背後
(
うしろ
)
に
迫
(
せま
)
って、
自分
(
じぶん
)
を
追駈
(
おいか
)
けて
来
(
き
)
たかのように
思
(
おも
)
われた。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
帆村はもう必死で、このコンパスの長い
韋駄天
(
いだてん
)
を
追駈
(
おいか
)
けた。そして横丁を曲ったところで追付いて、
遂
(
つい
)
に組打ちが始まった。
赤外線男
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
鈴の音を聞くと、叔母も母も読めもしない
癖
(
くせ
)
に、顔色を変えて
狼狽
(
あわ
)
てて買いにやった。私は
跣足
(
はだし
)
でたびたび号外売りのあとを
追駈
(
おいか
)
けたことがあった。
戦争雑記
(新字新仮名)
/
徳永直
(著)
転んだ奴あ随分あったそうだけれど、大した怪我人もなし、持主が旦那様なんですから故障をいう奴もねえんで、そっちゃ安心をして
追駈
(
おいか
)
けて来ましたが、何は若様はどちらへ行ったんで。
黒百合
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
振向くと、さっきの山田という社員が、
追駈
(
おいか
)
けて来たのだ。そして
猟奇の果
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
何が何やら分らないながら、彼は
追駈
(
おいか
)
けてゆく決心を定めた。そして梯子段を下へトントンと駈け下りて行ったが、そこには、宿のお内儀が倒れていた。
地球盗難
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「
追駈
(
おいか
)
けるんだ」
魔術師
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
そのくせ当人は、痣蟹が屍体を盗んでいったと称しています。あれは
偽
(
に
)
せの兄ですよ。本当の兄なら、屍体を取返そうと思って
死力
(
しりょく
)
をつくして
追駈
(
おいか
)
けてゆきます
恐怖の口笛
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
僕は
吾儘
(
わがまま
)
な向っ腹を立てて歩きだした。するとうしろから魚戸の声が
追駈
(
おいか
)
けてきた。
宇宙尖兵
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
追
常用漢字
小3
部首:⾡
9画
駈
漢検準1級
部首:⾺
15画
“追駈”で始まる語句
追駈行