“追懸”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
おっか36.4%
おっかけ18.2%
おいか13.6%
おひかけ9.1%
おつかけ9.1%
おつか4.5%
おひか4.5%
おッか4.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
この筆法をもってすれば、情婦いろから来た文殻ふみがら紛込まぎれこんだというので、紙屑買を追懸おっかけて、慌てて盗賊どろぼうと怒鳴り兼ねまい。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ありゃね、しょッちゅう、あの花売を追懸おっかけ廻していたんで、今朝も、おめえ、後をけて石滝へ入ったんだと。え何、力になろうの、助けてやろうという贅沢ぜいたくなんじゃあねえんでさ。
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
すいと木立を横ぎった、あとからすぐすいと追懸おいかけて来る。見ているうちにすいすいと幾本もいっしょに通って行く。雨はようやく繁くなる。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
付られたるを殘念ざんねんに思ひ切てすてんと逃出にげいだす久兵衞を追懸おひかけをり火附盜賊改ひつけたうぞくあらため役小出兵庫樣の御組下笠原粂之進とか云ふ人に召捕めしとら入牢じゆらうとなりしを文右衞門の女房が大岡樣へ御直訴訟ごぢきそしよう
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
扨も八田掃部は騫直まつしぐら追懸おつかけ來りしが三五郎めはたしかに此寺に迯込にげこんだるに相違無しと御寺へ駈入眼をくばりながら住持に向ひ若し/\御寺樣てらさま只今人を殺して立退たちのきし者が此寺へ駈込かけこみしを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
這箇こつちは気が気ぢやないところへ、もう悪漆膠わるしつこくてたまらないから、病気だとつて内へげて来りや、すぐ追懸おつかけて来て、附絡つきまとつてゐるんでせう。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
きびしくんでやつた。追懸おひかけて
化鳥 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
逃げるのを追懸おッかけて、引捕ひッとらえ、手もなくうなじぶちつかんで、いつか継父がくびり殺した死骸しがいの紫色の頬が附着くッついていた処だといって今でも人は寄附かない、ロハ台の際まで引摺ひきずって来ると
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)