“文殻”の読み方と例文
読み方割合
ふみがら100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
あの人はこの前と同じように封をきって、やはり一分間足らずで読みおわって、机の上へ文殻ふみがらを投げ出し、それから巻煙草たばこに火をつけた。
いや、読み終った文殻ふみがらをもなお顔に押し当てて、小右京の肌の香をいでいた。そのうちに、みるみるそれはぐっしょり濡れてしまった。
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
手文庫には文殻ふみがらとノートがぎっしり詰っていた。空地くうちのあるのは夜具やぐ蒲団ふとんのしまってある一けんの戸棚だけであった。細君は苦笑して立ち上った。
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)