“ふみがら”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
文殻86.7%
文売6.7%
文穀6.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
いや、読み終った文殻ふみがらをもなお顔に押し当てて、小右京の肌の香をいでいた。そのうちに、みるみるそれはぐっしょり濡れてしまった。
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
何う云う訳か女の前に文売ふみがらのような物があって、山三郎が覗くとくだんの女は驚きまして山三郎の顔を見るとすぐそばにありました合口あいくちを取って今咽喉笛のどぶえを突きに掛りますから
山三郎は驚き飛掛ってもぎ取ると、見られてはならんと思いまして前の文売ふみがらを取り、急いで懐中ふところへ入れて隠しまする様子故、まア此方こちらへおでなさいと云うのでの女を本堂の上へ抱上げまして
作者註、柿内未亡人がほんの一部分だといったところのそれらの文穀ふみがらは、約八寸立方ほどの縮緬ちりめん帛紗ふくさ包みにハチ切れるくらいになっていて、帛紗のはしかろうじて四つに結ばれていた。
(新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)