追懸おひかけ)” の例文
付られたるを殘念ざんねんに思ひ切てすてんと逃出にげいだす久兵衞を追懸おひかけをり火附盜賊改ひつけたうぞくあらため役小出兵庫樣の御組下笠原粂之進とか云ふ人に召捕めしとら入牢じゆらうとなりしを文右衞門の女房が大岡樣へ御直訴訟ごぢきそしよう
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「早くよう。ヰクトルやあ。両方の耳に、追懸おひかけのやうに附けるのだよ。」
薔薇 (新字旧仮名) / グスターフ・ウィード(著)
勾引かどはかし何れへか引込みしが跡より追懸おひかけたづぬれ共一方行方ゆきがたしれ所々しよ/\方々はう/″\尋ね居れりと物語ものがたりけるに傳吉聞て偖てにくやつの仕業かな偖々御困りならん何れにか御商議さうだん申上げん程に私し方へお出あれ然共されども只今は
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
追懸おひかけし處に折惡敷をりあしく御加役方笠原粂之進殿に出會であひたゞちに召捕れ候に付をつとは右の段々一々辯解仕まをしわけつかまつり候へ共御聞入なく入牢と相成まことなげかはしく存じ奉つり候因て右申上候紙屑屋かみくづや新藤市之丞の在家ありかさへ相知候へば金子の出所でどころも分り文右衞門が百兩の盜賊にこれなき事も明白に相分り候間何卒御慈悲を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)