“逃出”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
にげだ70.4%
にげいで11.1%
にげいだ7.4%
にげい3.7%
にげで3.7%
のがれい3.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
竜子は母の枕元で話をしながらシュウクリイムを一口頬張ほおばった所なので、次の逃出にげだして口のはたと指先とをふいたのち静に元の座に立戻った。
寐顔 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
掛出さんとするをり番頭太藏はを覺まし大音に盜人々々どろばう/\と聲を立るゆゑ仁左衞門小猿は逃出にげいでんとする所に大勢追來おひきたりしかばやむを得ず三人程切拂きりはらひて其場を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
庇間合ひあはひ捨置すておき早足はやあし逃出にげいだし手拭ひにて深く頬冠ほゝかむりをなしきもふとくも坂本通りを逃行くをりから向うより町方の定廻り同心手先三人を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
剣幕けんまくに驚きまどひて予もあわたゞしく逃出にげいだし、れば犬は何やらむ口にくはへて躍り狂ふ、こは怪し口に銜へたるは一尾いちびうをなり、そも何ぞと見むと欲して近寄れば、獲物えものを奪ふとや思ひけむ
妖怪年代記 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
大燒原おほやけはらつた、下町したまちとおなじことほとん麹町かうぢまち九分くぶどほりをいたの、やゝしめりぎはを、いへ逃出にげでたまゝの土手どて向越むかうごしにたが、黒煙くろけむりは、殘月ざんげつした
間引菜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
また寸時も早く逃出のがれいでんと胸のみ轟かすほどに、やがて女はわが身を送出でて再び葡萄棚の蔭を過ぐる時みのれる一総ひとふさの取分けて低く垂れたるを見
葡萄棚 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)