逃出にげいだ)” の例文
庇間合ひあはひ捨置すておき早足はやあし逃出にげいだし手拭ひにて深く頬冠ほゝかむりをなしきもふとくも坂本通りを逃行くをりから向うより町方の定廻り同心手先三人を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
不図ふと立聞たちぎきして魂魄たましいゆら/\と足さだまらず、其儘そのまま其処そこ逃出にげいだし人なき柴部屋しばべやに夢のごといると等しく、せぐりくる涙、あなた程の方の女房とは我身わがみためを思われてながら吉兵衛様の無礼過なめすぎた言葉恨めしく
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
知ざるは人間にんげんにあらずといふ儘に引捕ひつとらへければ三吉は大に驚き逃出にげいださんとする所を肥前の小猿飛懸とびかゝりて拔打ぬきうちに右の腕を打落すに雲切仁左衞門は大脇差おほわきざし
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
飛違とびちがへ未だ生若なまわかき腕ながら一しやう懸命けんめい切捲きりまくれば流石に武士のはたらきには敵し難くや駕籠舁ども是はかなはじと逃出にげいだすを何國迄いづくまでもと追行おひゆくうちかね相※あひづやなしたりけん地藏堂のとびら
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)