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飛懸
読み方 | 割合 |
とびかゝ | 50.0% |
とびかか | 50.0% |
知ざるは
人間にあらずといふ儘に
引捕ければ三吉は大に驚き
逃出さんとする所を肥前の小猿
飛懸りて
拔打に右の腕を打落すに雲切仁左衞門は
大脇差を
盜み出さんとする
處に
主人九郎右衞門は目を
覺しヤレ
泥坊と聲を立しかば盜賊は
吃驚なし
用箪笥を
抱へて
逃出んとするを九郎右衞門
飛懸り
遁さじものをと押へるを
何をと、八蔵は隠し持ったる鉄棒を
振翳して
飛懸れば、非力の得衛仰天して、
蒼くなって押隔つれど、腰はわなわな気はあぷあぷ、
困じ果てたるその処へ女房を
前に銀平が
一室を出でて
駈け来りぬ。