“飛行”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ひぎょう44.1%
ひぎやう20.6%
ひかう8.8%
ひこう8.8%
ヒギヤウ5.9%
とびあり2.9%
とびあるき2.9%
とびゆく2.9%
ひぎよう2.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
仙冠者は稲葉なにがしの弟にて、魔術をよくし、空中を飛行ひぎょうせしとや。仙冠者をわれ嫌うにあらねど、誰か甘んじて国麿の弟たらむ。
照葉狂言 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
まことやその時は学匠の姿も、折から沈まうず月を背負うて、さながら怪しげな大蝙蝠おほかはほりが、黒雲の翼を一文字に飛行ひぎやうする如く見えたと申す。
きりしとほろ上人伝 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
飛行ひかうなさばいざしらず我が庭の飛石に草履ざうりかたが血にて明々あり/\殘るの所謂いはれなしこれしんうたがふべき一ツなり然すれば傳吉に意旨いしふくみし者猿島川へんにて男女のがいされたるを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
大講会だいこうえの空を飛行ひこうして、試合しあいの心をみだす奇怪きかいな女を、拙者せっしゃ一火流いっかりゅう砲術ほうじゅつをもってち落とし、かく衆人しゅうじんのさわぎを取りしずめたものを
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
七処女の真名井の天女・八処女の系統の東遊アヅマアソビ天人も、飛行ヒギヤウの力は、天の羽衣に繋つてゐた。だが私は、神女の身に、羽衣を被るとするのは、伝承の推移だと思ふ。
水の女 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
およそ陸鳥りくてうは夜中めくらとなり、水鳥すゐてうは夜中あきらか也。ことにがんは夜中物を見る事はなはだ明也。他国はしらず我国の雁はおほくはひるねふり、夜は飛行とびありく。
我越後の雪蛆せつじよはちひさき事ごとし。此虫は二しゆあり、一ツははねありて飛行とびあるき、一ツははねあれどもおさめ蚑行はひありく。共に足六ツあり、色ははへうすく(一は黒し)其る所は市中原野しちゆうげんやにおなじ。
さてまへにいへる渋海しぶみ川にてはる彼岸ひがんころ、幾百万の白蝶はくてふ水面すゐめんより二三尺をはなれてもすれあふばかりむらがりたるが、たかさは一ぢやうあまり、両岸りやうがんかぎりとして川下より川上の方へ飛行とびゆく
しどろの足をねされて、飛行ひぎようの空にあこがるゝ。
海潮音 (新字旧仮名) / 上田敏(著)