飛行ひぎやう)” の例文
まことやその時は学匠の姿も、折から沈まうず月を背負うて、さながら怪しげな大蝙蝠おほかはほりが、黒雲の翼を一文字に飛行ひぎやうする如く見えたと申す。
きりしとほろ上人伝 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
……ひと為業しわざなら、同一おなじさぎぐにして、ふねひかりはなつて、ふわ/\くもなか飛行ひぎやうするだ。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
大小ともに此御はちといふあたりをさらずして、飛行ひぎやうする㕝あるひはゆるやか、あるひははしる、そのさま心ありてあそぶが如し。其ひかりは螢火ほたるひの色にたり。つよくも光り、よはくもひかるあり。
天人の飛行ひぎやう自在にしたまふとひとしきほどのものたのむなり
舞姫 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
苦桃太郎にがもゝたらう不審ふしんおこし、我等われら神通力じんつうりきもつてかく飛行ひぎやうしなが
鬼桃太郎 (旧字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
しどろの足をねされて、飛行ひぎやうの空にあこがるゝ。
海潮音 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
大小ともに此御はちといふあたりをさらずして、飛行ひぎやうする㕝あるひはゆるやか、あるひははしる、そのさま心ありてあそぶが如し。其ひかりは螢火ほたるひの色にたり。つよくも光り、よはくもひかるあり。