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にげいで
三日四日に帰りしもあれば一夜居て
逃出しもあらん、
開闢以来を尋ねたらば折る指にあの
内儀さまが
袖口おもはるる、思へばお
峯は辛棒もの、あれに
酷く
当たらば
天罸たちどころに
盜み出さんとする
處に
主人九郎右衞門は目を
覺しヤレ
泥坊と聲を立しかば盜賊は
吃驚なし
用箪笥を
抱へて
逃出んとするを九郎右衞門
飛懸り
遁さじものをと押へるを
振返り樣三刀四刀に切殺せり其中に下女は
表へ
迯出人殺々々と
呼はりながら
金盥を
叩き立てしかば近隣の人々
馳付る樣子を見て金を