“にげだ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
遁出53.3%
逃出42.2%
脱出2.2%
迯出2.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
折々をり/\には會計係くわいけいがゝり小娘こむすめの、かれあいしてゐたところのマアシヤは、せつかれ微笑びせうしてあたまでもでやうとすると、いそいで遁出にげだす。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
パリスカスは、全身のはだあわを生じて、逃出にげだそうとする。しかし、彼の足は、すくんでしまう。彼は、まだ木乃伊の顔から眼をはなすことが出来ない。
木乃伊 (新字新仮名) / 中島敦(著)
遠くから眺めてゐると、自分の脱出にげだして来た家に火事が起つて、見る見る燃え上がるのを、暗い山の上から瞰下みおろすやうな心持があつた。今思つてもその心持が忘られない。
弓町より (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
椽の下からあらわいでたる八百八狐はっぴゃくやぎつね付添つきそいおれかかとねらうから、此奴こやつたまらぬと迯出にげだうしろから諏訪法性すわほっしょうかぶとだか、あわ八升も入る紙袋かんぶくろだかをスポリとかぶせられ、方角さらに分らねばしきりと眼玉を溌々ぱちぱちしたらば
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)