脱出にげだ)” の例文
遠くから眺めてゐると、自分の脱出にげだして来た家に火事が起つて、見る見る燃え上がるのを、暗い山の上から瞰下みおろすやうな心持があつた。今思つてもその心持が忘られない。
弓町より (新字旧仮名) / 石川啄木(著)